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「さて、そろそろ言う気になったかな?」

もはや事務的な作業をこなすかのような口調で男は少年に尋ねる。

「言う!言うからぁ!何でも言うから!助けて!」

そう、と言って男は黒服達に目で合図する。

指示を受けた黒服達は淡々と作業をこなす。しかし、その視線は少年に釘付けだった。少年の痴態を一つも見逃すまいとするかのように、仮面の向こうから鈍く光る視線を向け続ける。

用意されたのはホースと、その先に取り付けられたシャワーヘッド。ホースは壁際の蛇口に連結されている。男は蛇口をひねると、頼りのない見かけからは想像のつかない勢いで、ヘッドから水が流れだした

やがてコンクリートを濡らす水から湯気が上がりはじめ、冷水がお湯に変わったことを確認すると、男は満面の笑みで少年に告げる。

「やっと素直になったねえ? ご褒美だよ」

そう言って男は、痒みを訴え続ける少年の亀頭を、再び露出させる。それは勃起もしていないのに真っ赤に腫れ上がり、ピクピクと痙攣を繰り返している。

少年は男が皮を剥いた、そのわずかな摩擦だけで、待ちわびた刺激に悲鳴を上げる。

「ひぃぃぁあ! あ、そ、もっと!もっとぉ!」
「はいはい。わかったから、これからやるのはこんなもんじゃないよ。なんたって、『ご褒美』なんだから」

含みのある言い方をしながら、男はもったいぶるようにゆっくりとシャワーを持ち上げる。

そして、真っ赤になったそこに、勢いよく吐き出される熱いお湯がぶつけられた。

「ぇ、 ――――ぁ、ゃ、ぁああああ゛っ!!??」

お湯がかけられた瞬間から、今まで味わったことのない感覚が加速度的に腰をとろかしていく。声はだらしなく開いた口から出しっぱなしになり、縛られた身体はのたうち回る。

「ひっ――――ッぎ、…ぁあひぃああ゛ッ!!!」
「ほーら、痒くてたまんないちんこに熱々のシャワーは気持ちいいでしょう?」

そしてそれまで痒みを蓄積し続け、血流が溜まり、神経も集中していたところに唐突にお湯がぶつかったのだ。それまで苦しみ抜いた分が一気に、性的なものとはまた違った快感となって少年の腰を溶かしていく

「―――――ぁ、ぁ、あっぁ゛、あ゛、ああ゛ッ…!」

お湯の熱さが、無数の細かな爪のような刺激で少年の腫れた先端を次々と引っ掻いては流れ落ちていく。

まるで蛇口を全開にしたシャワーと連動するかのように、少年の開ききって閉じられなくなった口からはもはや意志とは関係なしに言葉も涎もだらだらと漏れ出していく。

やがて少年は、快感にとろけた虚ろな目をしながら、ただ腰を突き出したまま身体を硬直させ、時折ビク、と痙攣を繰り返す。

それは明らかに異様な光景だった。痒みに対する刺激に思考をすべて支配されている、年端も行かない少年。

男は明らかに性的興奮を見せていた。口の端をゆがめ、電池の切れかけた玩具のような少年を見つめる。

そしておもむろに蛇口が閉められた。突然終わった刺激を、我に返った少年が必死に引き留める。

「なんでっ、やめないで!! なにこれ、なんでっ、――ッ痒いの、全然収まらない…!」
「だろうねえ、だってこれ、お薬入りだもん」

細胞全体が叫び出しているかのようなうずき。一度快感を知ってしまっては、この苦痛に耐えることはもはや地獄だった。もうあと一秒も待てないと言った様子で、少年がなんとか痒みから逃れようと暴れ出す。

「っぁぁああ! もう無理! もう無理だよぉ! 許して許してぇぇ!!」
「まだまだ。こんなので音を上げちゃあ困るよ」

そういって男は再び容器を手にすると、再び筆にたっぷりと液体を含ませ、それを少年の体に近づけていく。

「いやあああ!も、やだ!それやだああ!」
「ほーら、暴れないの」

顔を恐怖にゆがませて、何とか逃れようと身体を思い切りひねるが、後ろ手に縛られていては大した抵抗もできなう。男は子供をあやすかのような口調で、ある一点にねらいを定めて筆を構える。

「やぁっそこっ…! だめ……ッッ」

筆先は、少年の乳首を向いていた。垂れ落ちそうになっている液体が筆から零れる前に、小さな突起に塗り込まれていく。

「やだ、―――やだやだやだっ!」
「ふふ、自分から擦り付けちゃって。かーわい」

少年が身をよじればよじるほど、胸にぴったりと寄せられた筆の先が紅茶色の乳首をクニクニとこね回すことになる。それでも、じっとしているわけにもいかず少年は無駄な抵抗を繰り返す。
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