#1




ヒウンシティへの道中で見つけたフレンドリーショップ。
丁度開店セール中ということで、寄っていくことにした一行。

入ると、新しく出来ただけあって綺麗な店内の様子が目の前に広がった。
「おお・・・」
それぞれが反応を見せ、食材やらを買うために移動を始めた。

「ポケモンフーズって、こんなに種類あったんだ」
棚に並べられた数十種類のポケモンフーズを見て、数回瞬いた。

サトシはソムリエショップとかいう、テイスティングしてもらえる所に並んでて、デントは食材やらの調達、アイリスはそのへんを物色し始めた。

「・・・お」
店内を歩き回っていると、電気機械のコーナーに来ていた。
電化製品やらが置いてある中で、あるものが目に止まった。

アンテナが付いている機械。
説明を読むと、ポケモンの電気技から電力を取り出して、コンセントの如く利用できるというものだった。
「これ、買っとくか。」

大きさもそこまでないから、カバンにも楽に入る。
たまに音楽を聞くために、音楽プレーヤーを使うのだが、充電し忘れることもしばしばだ。
そいうい時にロトムやバチュルの電気をもらおう。

旅を始めた時にアララギ博士から頂いたおこづかいで支払いを済ませると、再び物色を始めるのだった。

その頃、アイリスは雑誌を物色していた。
「面白ーい・・・!」
たまたま手に取った雑誌は、ネット歌手である人たちの名が載っていた。
アイリスも多少の知識は持ち合わせていた。

「・・・え?」
ペラペラとろくに読みもせずページをめくっていると、紫に包まれた人物を発見した。

見えたのは一瞬だけだけど、それを、どこかで見たことがるような感じがして。
そのページに戻ってみると、その人物の横顔が載せられていた。

「これって・・・ヤヅキじゃない・・・!?」
いつも来ている上着とは少し違ったデザインの服を来ているヤヅキ。
フードをかぶっているために、確認できるのは目と鼻、口とフードから覗いている紫の髪だけだったが、ヤヅキだとわかる。

説明書きを読んでいくと、活動休止中ではあるが、期待されている人物だと書かれていた。
「ええぇ・・・!?」
これはもう、
「買うしかない・・・!!」

すぐさまその雑誌片手に走っていったアイリスだった。


一通り見て回ったヤヅキは、別れた仲間を探して店内を歩き回っていた。
シェイミが途中、サトシたちの声が聞こえたと言ったので、シェイミが言った通りに声のした方へ向かうと、なにやら言い合っている見慣れた仲間と見知らぬ子を発見した。

「サトシ五月蝿い、ここは店だ」
サトシの頭を加減して叩き、乱入する。

「ただ負けただけでも悔しいのに・・・貴方、私のポケモンの事をもっともらしい言葉を並べ立てて批評したでしょ!!」
「ああ、僕はポケモンソムリエだからね」
「そうよ!!そのソムリエよ!!」
「あんたもうるさいよ。」

デントに何か言っていた子にも制裁を与える。
サトシよりは加減したから、そこまで痛くないはずだ。

サトシとデントと・・・名前聞いてない子の言い合いを視界の端に入れつつ、アイリスに何があったのか事情を聞いた。

「・・・そりゃ怒るわな」
「で、今こうなってるの」

なんでも、ピカチュウとサトシは相性が悪いだの、手持ちを全て入れ替えろだの・・・。
あんたがサトシの何を知ってるの。
もうちょっと知ってからそういうこと言って欲しいわ。

ピカチュウとサトシはまじでいいコンビだと思うんだけど・・・。

悶々と考え込んでいると、移動を始めたサトシ達に気づいたシェイミがペシペシという効果音を立てて頬を叩いてきた。
「おお・・・気づかなかった」

シェイミに一言お礼を言ってサトシ達の後を追いかけるヤヅキだった。





[*prev] [next#]

1/9




戻る
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -