04
「リーナちゃん!今日はいい天気で良かったね!僕やる気出てきたよ」
「そう。よかったわね。……間違ってもあたしの邪魔はしないでね」
「大丈夫!絶対邪魔にならないよ……!」
あ〜あ。朝から事あるごとにリーナちゃんリーナちゃんってこの人ホントに気持ち悪いんだけど。
っていうかここどこなんだろ。コーネリアからそんな遠くないはずらしいんだけど……もうずいぶん歩いたよね?
少し前までは森沿いの街道みたいな歩きやすい道だったんだけどさっきからは街道から外れて森の中だよ。辺りは木ばっかりで薄暗いし飽きるし疲れたし。
「ねえ、ザス。あとどんくらいなの?」
暇つぶしに俺は、地図を見ながら歩いているザスに聞いてみる。
「この地図だともう少しで洞窟が見えて来るはずだぞ」
「もう少しっていつ〜?俺疲れたんだけど〜。セマも疲れたでしょ?」
横を向きセマに問いかける。が、
……あれ、いない……
「あ……あれ?セマさっきまで俺と話ししてたよね……?」
前、後ろ左右を見るがどこにもいない。
「ったく、あいつは何でいつもいつもいなくなるんだ……?」
「どうする、ザス?取りあえず探す?」
「当たり前だ」
「だよねぇ。……ちょっとリーナ!セマが行方不明になったんだけど!」
取りあえず前を歩くリーナに報告しとく。
「は!?なんで!?」
もの凄い勢いで振り返るリーナ。
「何でって言われてもわかんないよ!」
「ザスのせいね!」
「り……リーナちゃん……!待ってよ〜……!」
俺の後ろに目を移し、ザスを見つけそちらにリーナは走って行った。それに遅れてモヤシも。
リーナのストーカーだなぁ、モヤシは。
なーんて事を思いながら俺は二人の後を追って行く。
「ちょっとザス!何であんたしっかりセマの事見てないのよ!」
「俺は地図を見て……」
「そんなのいいわけにはならないわ!あんたのせいよ!」
もと来た道なき道を戻ってセマを探していたザスに追いつき、リーナはいきなり怒鳴り出した。
「……ねぇ〜!みんな〜!女の人が倒れてるの〜!」
うわおぅ!
「せ……セマ!?」
いきなり横の木々の間からひょっこりとセマが現れたり。
神出鬼没だなぁ……。
「ねぇねぇ!そこに女の人がいるの〜!」
「どこよ!?」
「こっち〜!」
あまりにも真剣にセマが言うのでさすがのリーナも怒るのを諦めたらしくセマの後について木々の間に入って行った。
俺たちも全員リーナとセマの後を追い、青々と茂っている木々の間に入って行く。
「……あんた良くこんな所にいるのを見つけたわね」
女の人がいる場所は案外近かった。
俺たちが通って来た道のすぐ脇の木のそばに女の人は倒れていた。
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