ハッピーアワー |
乗換駅で下車し、わざと高架下を歩く。 風に乗って炭の香が鼻先を擽った。 入口には『19時まで生ビール300円』と魅力的な看板が立てかけられている。 躊躇なく店内に入り「生1つ」と一言。 直ぐに運ばれてくる生ビールとお通しのキャベツ盛り。 「カシラとセセリとボンジリ1本ずつ」 注文してからジョッキに口を付けた。 キンキンに冷えたビールが喉を潤し熱い体を冷やしてくれる。 キャベツ盛りにはポン酢が軽くかけられていて手が止まらない。 『キャベツおかわり自由』 壁に貼られた魅力的な紙を見つける。 2杯目のビールを頼むと同時にキャベツ…と言いそうになるのを我慢し、焼き鳥が運ばれてくるのを待つ。 時計は18時を指している。 笑みが零れた。 前頁│次頁 |