狩り

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鋭い牙を突き立て

ひとつ

大きく息を吐き出す


獲物は微動だにしない

ゆっくりと薄皮を裂き

現れる柔肉に牙を刺す


ずぶずぶと埋め込み

がっちりと掴み込み

思い切り引きちぎる


噴き出す血飛沫

新鮮で甘美な香

血肉全てを貪る


剥き出しの白骨

見つめながら

口元を拭う


「貴方……で……良かっ…………た……」


聞こえない筈の声が

風に運ばれてくるような

そんな気がした


口の中に広がる美味は

忘れることは無いと

目の奥が熱くなった




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