23 30

私は横を向いて寝る。
ブライアンに背を向けて寝る。

おやすみなさいを言わないのも、いい夢が見れるようにとしてくれるキスをしない夜ははじめてだ。



別に怒っているわけではない。
怒ることなどなにもない。

ただすごく年が離れた中で甘えることができる一方、
「子どもだ」
と言われると胸にポッカリ穴があいたような気分になる。


年の差なんか毎日祈っているけれど1歳も縮まらない。
いや、1歳縮まるのはほんの数ヶ月だけだ。
すぐにまた同じ距離になってしまう。

だから子ども扱いされて仕方ないのだ。
怒っているわけではない。
怒ることなどなにもない。



ブライアンも私に背を向けて寝ているようだ。
広いベットは2人用だというのにいつも広く感じる。
今日は特に、いつもの1.5倍くらいに感じる。
いつも寝返りをうっても落ちない。
ブライアンは度々落ちているようだが。
…つまりブライアンは私に広く使わせてくれているのだろうか。
2倍以上違うとこうも大人なのだろうか。
開け見せたりしない。
そりゃ子どもだと言われても仕方ないのだろう。
もしかしたら気遣いなどではないのかもしれないけれど。



ため息がでる。
こんな時間を過ごすために2週間も前からわくわくしていたわけじゃない。


両手の指を合わせると、
指と指との間にできた隙間が悲しい。
乾燥している部屋と乾燥している手があいまって少しカサカサ音がする。
それくらいこの部屋は静かだ。


もう眠ってしまおう。
目を閉じた。



手に違う手が重なる。
自分より大きな、温かい手。
でも自分よりも指先はカサカサしていた。
無頓着な指先が可哀想になって愛しさが伝わるように撫でる。
手が温かいな、と思ったあとに腕が重くなった。
背中が温かい。
後ろから抱きしめられたのだろう。

首の下に腕を通される。
頭を少しあげて、すんなり受けいれる。
重ね重ね言うが、私は怒っているわけではないのだ。



すっかり包まれてしまった。
安心感に包まれた。

安心感とは別にお尻あたりでブライアンのものが動き出して、入っているわけではないのに身体は反応してしまう。

手に力を入れるとかるく力が返ってくる。
すっかり手を塞がれるような形になってしまい、それが余計に気持ちに拍車をかけた。


「ちゃん、仲直り」
そう低い声で言われて敵わなくなる。
振り返るとあやすようにおでこの髪をあげられる。
片手は離してくれないところに子どもっぽさを感じながら時計をみると23:30だった。



どれほど過ごせばひとつになれるの


カサカサの指先から、ひとつになりたいな、ねえ 神様。





Perfumeの23 30から歌詞を使っています。



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