コーヒー中毒
ちゃんは読書の時間、
六太はそれを眺める時間だった。
あーこのほのぼの、
平和だなあなんて六太は思った。
「ちゃんちゃん次はなに飲む?」
「うん、コーヒー」
「オッケー」
あれ…このやりとり今日で何回目だろう。
「…ちゃんちゃんずーっとコーヒー飲んでない?」
「そう?」
「そうだよ、大丈夫なの?」
顔をあげて
「なにが?」
「体調的に?支障ないの?」
「ふふ、余裕♪」
と言ってまた読みものに目を落とす。
日々人っぽく答える。
日々人もおれのことも知ってるから、こんなやりとりができる。
ちゃんちゃん真剣に読んでんなー
おれなにしようかなー
と考えていた時に
読んでたものから目線をあげて
「…南波がいれてくれるコーヒー美味しいからだよ」
と言ってまた読みものに目線を戻した。
決して目は合わせてくれなかったが。
オレは嬉しくて口元が緩んで
「ねぇなに読んでるの?」
「近寄るなアフロが暑い」
「ひどい!」
「…」
「…」
ふふっ
ちゃんは読みものを閉じて、
ごめんごめん、アポちゃんの散歩でも行こうか、
と言った。
コーヒー以上の中毒はまだまだ先です。
(ついでに南波の髪も日々人みたいにしてもらおう?)
(…なんでオレが合わせなきゃならんのよ)
(ふふ、南波おもしろいなあ)
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