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あれから一週間、天鵞絨町に寄る用事もなかったため、古市さんにはいまだに会えていない。
しかし、明日にはMANKAIカンパニーの旗揚げ公演が控えているので、そのための服を買おうと天鵞絨町近くのショッピングモールに来ていた。
休日のショッピングモールの館内は家族連れが多く、とても賑わっている。
このワンピース可愛い、最近こういうトップスが流行ってるのか、などと一人考えながら店内を歩き回る。時期的に春服がたくさん売られていて助かった。思わず明日の服装だけでなく、今シーズン着れそうな服を見繕ってしまった。
すべての買い物を終えてショッピングモールをあとにした私は、買い物をしていたために食べ損ねたお昼を食べてから帰ろうと思いたち、駅近くのカフェに寄る。
店内のお客さんはまばらでお昼を少し過ぎたばかりだというのに騒がしくなく、とても雰囲気の良いお店だった。
いい店発見しちゃった、とつぶやきながら空いている席につく。紅茶とサンドイッチを注文し、待っている間につぶやいたーとインステをループし友人の投稿を見ていく。
彼氏と●●に行ったとか、映画の半券2枚の写真付きで映画デート。という投稿に対してハートを送る。
いいなぁ、彼氏。彼氏が絶対欲しいというわけではないが、好きな人と一緒に過ごしているのは純粋に羨ましいと思う。
だいたいの投稿を見終わった頃、入口の扉のベルの鳴る音がしたため、ふと音のした方に視線をやると、現れたのはこの一週間会いたくても会えなかった人だった。
……古市さん、なんで
驚きのあまり古市さんを注視してしまっていると、向こうもこちらの視線に気づいたようで、切れ長の綺麗な瞳と私の瞳が重なり合う。
彼が驚いたような顔をするので、私は思わず古市さん、と声に出していた。
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