青峰さんと鷹の目の話
関東の皆でバスケをしましょう。
黒子の提案に不満は無い。けれど、集まったメンバーには文句を言いたかった。
「何あれ、誰あれ」
「高尾っちっスよ。知らないんスか?」
ストリートコートの端に座る青峰に合わせて、黄瀬が隣に腰を降ろす。二人の目は、コートの中で繰り広げられる2on2に向けられた。
火神と黒子、緑間と高尾。それぞれのチームプレイは確かに見事だったが、個々の能力としてはどうしたって見劣りがする。
「知らねぇよ。弱い奴には興味ねぇ」
「高尾っちはすごいんスよ。鷹の目は知ってる?」
「コート内をフカンで見れるとかだろ。くだらねぇ」
「そうっスか?俯瞰…つまり上から見ることが出来るということは―――」
黄瀬はコートから視線を外すと、真摯な眼差しで青峰を見遣った。
「女湯覗き放題っス」
「っ!!!」


「…高尾」
「はいはい」
青峰は対戦を終えた高尾を捕まえた。もちろん、噂の真偽を確かめるためだ。
「お前、女湯覗き放題って本当か?」
単刀直入に問いかければ高尾はぱちくりと目を瞬かせ、ぷっと吹き出した。
「女湯?なに言ってんの」
からからと笑う高尾に、そりゃそうだろうと青峰は納得し、こっそり落胆した。やはりそんな、神のような能力は存在しないのだ。
とりあえず黄瀬を殴ろうと決意する青峰の前で、高尾はすっと笑みを消した。
「女湯どころか、その気になれば服の上からだって中身が見えるよ」
「っ!!!?」
ショックのあまり体が震える。それは、今まで感じたことがないほどの畏怖だった。
青峰は高尾の両肩を掴んだ。
「師匠と呼ばせてくれ…!」


fin 2014/7/28

■次回予告
高尾に小言を言った緑間に、青峰が掴みかかる。
「お前に師匠の何が分かる…!」
「は?…いや、お前こそ高尾の何を知っているというのだよ…!」
「俺のために争うのはやめてーwww」

複雑に絡み合う人間関係。青峰は鷹の目習得となるか。
Coming soon!(嘘)


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