専属マッサージ師(高黄高)
「たーかおっちー!」
「ぐえ」
どすん、と背中にかかった重みに、うつ伏せで雑誌を読んでいた高尾は苦しみの声をあげた。
「涼ちゃん、重…」
「マッサージしてあげるっス」
「…いや、俺そういうの駄目なん、でぇ!」
人の話を聞かない自由の子は、問答無用で高尾の腰に手をかけた。
「あははは!く、すぐった、やめてー!」
「やめて欲くば『抱いてください』と言うが良い」
「ええー!」
息も絶え絶えに笑い転げる高尾に、黄瀬は無茶ぶりを仕掛ける。
背に腹は、変えられなかった。
「っははは!だっ…抱いて、ください…っ!」
途端に黄瀬の魔の手は離れて、背の重みも消える。荒い呼吸のままでぐったりと体を仰向けに返せば、にやりと笑う黄瀬と目が合った。
「仕方ないから抱いてやるっス」
「やっだ、涼ちゃん男前」
またしてもマウントポジションを取られてしまうも、笑い疲れた体ではろくな抵抗も出来ない。
「あははは!だめ、え?マジで脱がすの?」
「忘れられない夜にしてやるっス」
「まだ昼間っハハハ!やだ、そこ、だめ…!」
「体はそうは言ってないっスよ」
「やーん!」
緑間はそっと、傍らのラッキーアイテムを手に取った。
今日のかに座のラッキーアイテムは『ハリセン』。まったく、良く当たる占いだ。


fin 2014/7/10

IN 緑間家。
課題『専属マッサージ師』でもう一本。


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