LONG NOVEL

ターゲット発見 (2/46)

自転車競技部・・・って、純太の部活じゃない;

なんだなんだ、こんな近くに情報網があったなんて。

家が隣同士で幼なじみの純太は最近自転車競技部の主将を任された。

昔はしょっちゅうお互いの家に行き来してたけど、純太が高校に入学してからはなかなか会う事もなかった。

同じ総北高校に入学したけれど、私も部活に入り、校内ですれ違う程度にしか会わなくなっていた。

昔から私の事を知っている純太だけが私がアニオタだと知っている人物だ。

自転車部主将なら当然小野田坂道の事も知ってるはず。

そんなオタクな人が近くにいるんならこっそり私に教えてくれればいいのに。

そういう意地悪なとこ、昔からあるんだよね、純太って;



「遅い・・・自転車部、いつまで活動してんの?」


小野田坂道の事を探ろうと部活が終わった後純太を校門の前で待ち伏せた。

なかなか来ないし、空も暗くなっていくしでしびれを切らし、自転車を押しながら自転車部の部室へと向かう。


「小野田君!そっちちゃうやろ?」
「き、今日お母さんに買い物頼まれてて、急いでるから裏門から帰るね」
「そうなんや、じゃまた明日な小野田君、気ぃつけて帰りや」
「うん、鳴子君今泉君、また明日」


小野田と言う大声に慌てふためき部室の壁に慌てて隠れた。

小野田君ってどれ?

関西弁じゃ無い人、どれ?

壁に身を隠しながらこっそりと声がした方を覗き込んだ。


「・・・」
「?」


後ろに人の気配を感じて振り返ると、見覚えのあるジト目にガン付けられてた。


「Σは!!!!」
「名前ちゃん?」
「違います」
「・・・」
「・・・」
「純太の幼なじみの・・」
「・・・・・・あ!」


数度純太の家の前で、校内で一緒にいるのを見たことがある。


「えっと・・・青八木先輩!」


青八木先輩はコクンと頷いて、私の肩を掴み、強引に部室の前の人だかりに押し出した。


「ちょ!ちょっと待ってください青八木先輩!!何?なんで!?」


叫びながらもがく私を赤い頭とデカイイケメンと気の抜けたヒョロ男と純太が驚いた顔を私に向けた。
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