彼女ですか? (3/46)
「あれあれ〜?もしかして青八木先輩の彼女ですかぁ?」
「は?なに言ってんの?ちげーあ、いや・・・」
横でふるふると首を振ってる青八木先輩に対してかなり失礼な事言いました、私;
「名前どうした?俺に用?」
「え?手嶋さんの彼女ですか?!」
「違う違う、幼なじみ」
「幼なじみ?」
「そう」
青八木先輩の横で気まずくモジモジしてる私を見かねてか純太がこっちに向かって来てくれた。
「純太に聞きたい事あって校門で待ってたたんだけどなかなか来ないから・・」
「聞きたい事?なに?」
「・・・・ここでは言えない・・」
「言えない事って?」
「パーマ先輩、そんなの決まってるやないすか〜」
「「?」」
なんとなく見覚えある赤い髪の関西弁がニヤニヤとこっちを見てなんか言ってる。
「手嶋先輩、俺達は失礼します」
「え?!なんやねんスカシっ」
「そうだね、邪魔者は消えないとねぇ」
赤い髪の関西弁は両腕に抱えられたままズルズルとこの場を去って行った。
「あいつら絶対勘違いしてるな」
純太がそう言うと、青八木先輩も手を振りその場を去ろうとしている所だった。
「青八木またな」
「え?青八木先輩?」
青八木先輩は何となくここにいてほしかったんだけど・・
純太と二人残され、久しぶりの2人きりにちょっと緊張してたから。
二人のんびりと表門坂を自転車で下る。
純太と同じ高校に進学したものの、朝も帰りもずっと別だったから一緒に帰るのって実は初めてだった。
「あれ?」
「なに?」
「一緒に帰るの初めてじゃね?」
「そうだね」
「そっか」
「それがどうかした?」
「いや、別に」
自転車で一緒に帰るといっても横並びで話が出来るわけじゃないから、特に話をしないままあっという間に家に到着した。
「で、話って何だったんだ?」
「うん・・あのさ、純太の部活に小野田坂道って人いる?」
「小野田?」
「あのさ、その人どんな人?」
「見た事ねぇの?隣のクラスだろ?」
「Σえ!そうなの?!」
「昔からお前他人に関心なさ過ぎ」
「そ、そんな事無いよ;」
「さっきいた一番背が高い奴、わかる?」
「背が高い?赤い髪の子の隣にいた?」
「今泉、お前と同じクラスだぞ」
「・・・うっそだぁ〜」
結局小野田坂道の詳しい情報を純太から特に得ることは出来なかった。
「昨日はどーも」
「!!!」
次の日の朝、斜め後ろの席に今泉と言う背の高いイケメンが近くにいた事に初めて気付いた。