LONG NOVEL

バレた!!! (32/46)

「好きで来たわけじゃない、小野田と約束があるんだ」
「アキバで?」
「お、小野田がどうしてもって言うから」


あ、そういえばラブ☆ヒメのイベントも映画も一緒に行ったって言ってたっけ・・・


「俺が好んで来たわけじゃない;」
「あ、そう・・・じゃ私行くから」


余計な事詮索される前にさっさと離れた方が良さそう。
単にイヤーフォンとか電池だとか見に来ただけって思ってるかもだし。


♪♪♪〜〜
「小野田か?今どこだ?は?そうなのか・・それで?」


まさかフィギュア漁りに来たとかB L本物色しに来たとか思わないよね?

今泉が小野田坂道からの電話に応対してるうちにさっさとこの場から離れ・・・


「待った!」
「は?」
「ちょっと待て」
「え、やだ!」


こそこそと離れたつもりだったのに今泉にがっつり腕掴まれてんですけど!


「何よ;」
「小野田がここくる途中タイヤがパンクして修理してから来るんだと」
「へぇ、それは大変だね」
「30分から1時間掛かるらしい」
「・・そう」


あの・・覗き込んでくる距離がさっきより近いんですけど;


「ここ来たの初めてなんだよな」
「へぇ・・・で?」


目の前に今泉がいて、向き合ってカフェオレ飲んでるこの時間は何?!

今泉がいなきゃ今頃ゲーセン回ったり、B L本買い込んだり、欲しかったフィギュアを探し回ったり、幸せな時を過ごせてたのに・・・・何で?!!!

周りにいる人達の手にはここで購入したらしい漫画や新作フィギュアの冊子、トレカを広げてる人もいるし、足下には掘り出し物が入った袋がそこここに。

特に会話も無く、ただ小野田坂道からの連絡待ちに付き合わされてる私って・・・


「まだ?」
「まだ」
「掛けてみたら?」
「来ないんだからまだなんだろ」
「あの、いつまで待てばいいの?っていうかなんで私まで一緒に?」
「・・・」


何も答えないままカップに口を付ける今泉。


「小野田坂道にここの場所を伝えておけばいいでしょ?もう私行くよ」


リュックを持って椅子から立ち上がる私の腕を今泉が掴んだ。


「欲しいガシャポンあるんだろ?俺も協力してやる」
「Σえ!!?」
「ラブ☆ヒメのか?それともワンピース?」
「!!!!」
「有丸くん好きなんだろ?」
「え?え?!」
「ロードにステッカー貼ってただろ、あれワンピース?・・だよな?」


何で今泉がそこまで知ってんの?

有丸くん好きだって誤魔化せたはずなのに・・・ていうかオタクなのバレてんじゃん!!!
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