LONG NOVEL

アキバへ (31/46)

「手嶋さん達はこれから何処行きはるんですか?」
「寒咲サイクルに行こうと思ってる」
「え、そうなの?」
「言ってなかったっけ?青八木とそこで落ち合う約束してんだ」
「そ、そうなんだ・・」
「名前もてっきりそのつもりかと・・・何か他に用あるのか?」


折角の部活休みだし純太なら一緒に付き合ってもらえると思って、秋葉原〜池袋に行こうと思ってたんだけど・・;


「・・・どうしようかな;」
「なんだよ言えよ、他に行きたい所あるなら付き合うぞ」
「でも青八木先輩と待ち合わせてるんだよね?」


私が青八木先輩との間に入って邪魔するつもりなんか全然無いし、とりあえずこの会話を早く切り上げたい。
だって、さっきから鳴子と今泉が食い入る様に私達の会話を聞いてるんだもん;


「ほんなら手嶋さんは青八木さんとこ行ってくださいよ。苗字の相手はワイがしますさかい」
「Σは?いい!いいよ、来なくて;」
「なんや手嶋さんは良くてワイは駄目なんか?」
「いや、鳴子が駄目とかじゃなくて・・・ありがたいんだけど、ほっっとにいいから一人で;」


鳴子はちぇって顔してふてくされちゃったけど、純太は察してくれたのか鳴子を宥めながら寒咲さんのお店へと誘ってくれてる。


「名前、本当に一人でいいのか?」
「うん、久しぶりだから一人でゆっくり行きたいし」
「そっか。帰り暗くなる前に戻れよ、バスじゃないんだから」
「うん、わかってる、用事済んだらすぐ帰るよ」


リュックに田所さんに頂いたパンをそっと入れて、純太達に手を振り駅へと向かう。
駅前の自転車置き場に預け、念入りにワイヤーキーとU字キーを掛ける。

タイミング良く来た上り電車に飛び乗りドアの前でひと息吐く。

秋葉原駅に到着して軽くなった足取りでホームに飛び降りた。


「Σえ!!!!」
「Σはぁ?」


隣の車両から同じようにホームに降り立った今泉の姿に動揺しながら、慌てて車両に戻ろうとしたけど間に合わず・・

やばい!!!
ここはアニメオタクorアイドルオタクor家電オタクの聖地、秋葉原。

ここで降りるのを見られるなんて、私がオタクなのバレバレじゃない;

どうしよ、どうしよ・・・なんで寄りにも寄って今泉なの?!

でもなんで今泉なんかがこんなとこに?
なんで秋葉原に?・・・・・え?


思わず今泉を凝視してしまった。
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