LONG NOVEL

ツーリングへGO! (28/46)

まだ数回しか乗ってないピカピカのMERIDAちゃんを抱えて玄関を出る。

昨日迷いに迷って貼ってしまったONEPIECEの海賊旗ステッカー。

学校に乗って行く事になれば小野田坂道の目にも付いてしまうだろうけど、世界中の誰もが知っているであろうONEPIECEならかなり無難なんじゃないかなと思うんだけど。


「おっす」
「おはよ純太」


門を開けバイクを転がしながら純太が私のMERIDAちゃんを見る。


「麦わら海賊団か・・無難だな」
「い、いいでしょ別に; 」
「本当はゴッドウソップの海賊旗が良かったんじゃないのか?」
「だって・・流行りで言えば今はエースかローだけど私はやっぱり麦わら海賊団推しだし、ゾロやサンジだと腐女子ですって言ってる様なもんだし」
「・・チョッパーなら可愛いからいいんじゃないのか?」
「ダメダメ!チョッパーは。可愛さアピールしたいなら他でやってって感じ」
「・・・」
「本当はウソップ貼りたかったけどね」
「オタクの世界って・・奥深いんだな; 」


そうなの。
オタクって言っても一言では説明出来ない位奥深いもんなのよ。

呆れた風に苦笑してる純太を見るのももう慣れっこ。


「んじゃ行くか」
「うん!MERIDAちゃん宜しくね〜♪」


純太のcannondaleの後に続いてペダルを踏んだ。


今度の部活休みにツーリングに行こうと純太に誘われてから数日。

月に1度の休みなのに私なんかに時間使っていいのかな?なんて思いつつ、毎日キラキラと「お出かけしたいな♪」とおねだりしてくるMERIDAちゃんの眩しさに負けて純太に甘えてしまった。


「名前、MERIDAちゃんの調子どう?」
「調子いい!昨日は純太にメンテしてもらったけど、今度からは自分で出来るように頑張る」
「無理すんな、いつも俺近くにいるし、いつでも呼んでくれていいから」
「うん、ありがと純太」


昔から純太は優しくて私は甘えてばっかりだ。

純太は自分の事駄目だ駄目だって言うけど、今の純太を見てそう思う人なんか誰もいないし、私はそんな純太の頼れる背中をずっと見てるんだから。

でもさ〜私が言うのもなんだけど、もうちょっと太った方がいいんじゃない?
マッサージした時も思ったけど、腰周りとかさ、私より細い感じだしさ・・・


「名前」
「Σべ、別に細くて憎たらしいとかそういうわけじゃないけど!」
「何の事だよ; あんま妄想しながら乗ってっと危ないぞ」
「ち、違!してないってば; 」


わざとらしく純太から視線を逸らして空を見上げた。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -