LONG NOVEL

気になるんだよ(今泉視点) (27/46)

朝練が終わってからあいつの様子がおかしい。
いや、もともとおかしいのは知っていたけど、何やらソワソワと落ち着きがない。

決して俺が気になって見てるわけじゃない。
俺の斜め前の席じゃ嫌でも視界に入る。


「おい」
「・・・」
「おい、苗字」
「なに?!」
「うっとおしい」
「なにが?」
「朝から落ち着きがなさすぎる」
「あ〜気にしないでいいから」
「目に入るんだよ」
「いないもんと思っといて」


無茶苦茶言いやがる。
黒板見るにどうすれば前を向かずに前を向くんだ!


「あ〜もう〜恥ずかしい; ///」


何を言ってるんだ、さっきから。


「やめときゃ良かった、幹があんな風に言うから。でもつい・・あ〜でもやっぱり恥ずかしい; ; 」
「おい」
「放課後また部活か・・やだなやだな; 」
「おい!」
「だから気にしないでってば!」
「気になるんだから仕方ないだろ!」


思わず椅子から立ち上がって叫んでしまった。

気づけば教室にいる奴らが全員俺の方を見ていて、苗字がポカンとした顔で俺を見てる。


「え?2人そういう関係?」
「まさか付き合ってんの?」
「え〜今泉く〜ん; 」


どういう事だ?
そういう関係って?
付き合ってる?
誰が誰と。


「びっくりした; そんな大声で言わなくてもいいでしょ」
「お、お前が・・ずっと」
「だって・・ほんとにすっごく恥ずかしかったんだもん///」


Σ///おい!
そんな言い方ますます・・その・・・


「す、スカシ・・いつのまに苗字と!」
「鳴子・・違う!待て」
「こ、この事手嶋さんは知っとるんか?!ヤバイで、手嶋さんに断りもせんと苗字に手ぇ出すやなんて!」
「ま、待て、ちゃんと聞け!」


ていうか、なんでお前がここにいるんだよ!
俺はまだ苗字に何もしてない、そうするまでの気持ちさえ整理出来てねえんだ・・・え?


「鳴子?どうしたの?もしかして朝のをからかいにきたの?; 」
「からかう?なんの事やねん。からかうのはスカシ1人で充分やろ」
「あんな大声出したのなんて小学生以来なんだもん、恥ずかしすぎる; 」
「アホか、何が恥ずかしいんや。声援あってこそワイらは頑張れるんやで?ホンマに恥ずかしいっちゅうのは今のスカシみたいな事を言うねや」
「今泉?何を恥ずかしがってんの?」

クラスの連中に加え、苗字まで俺を見始めて・・・耐えきれず教室の出口向けて足を進めた。


「今泉?」


ザワつく中からでも苗字の声を拾えてしまった自分に、困惑しながらも腹を立てた。
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