LONG NOVEL

もしかして仲間?(坂道視点) (26/46)

「おはようさんでーす」
「はよーす」
「おはようございます!」
「お前達遅いぞ、早く準備しろ〜」
「「は、「はい!」; 」」


鳴子君と今泉君に遅れて慌てて部室を出ようとした時丁度苗字さんが部室に入ってきた。


「あ」
「あ、お、おはようございます; !」
「おはよう・・」


シーン・・・


「あ、あの、苗字さん」
「早く行かないと置いてかれちゃうよ」
「あ、そうですね、行ってきます!」
「うん、また後で・・頑張って」
「はい!」


苗字さんに会ったらステッカーの事を聞いてみようと思ったんだけど聞きそびれちゃった。

もしこれを貼ってくれたのが苗字さんだったら毎週ラブ☆ヒメの話したり、休みには一緒にアキバに行ったり、イベントに始発で行って並んだり、ガシャポンをその場で交換したり・・いや!そ、それは苗字さんがもっとも良ければっていう前提での話で・・///;

それに、これをしてくれたのが本当に苗字さんならだけど。


「小野田君、今日は朝からめっちゃ回しとるな」
「なんかいい事でもあったのか?」
「え?べ、別に///; 」
「嘘つくなや、顔がさっきからずーっとニヤけとる」
「Σえ!?」
「まさか誰かに恋とかしとるんちゃうか?そりゃそうだよなぁ、今じゃファンもいてるしな、小野田君可愛い♪やもんな」
「確かに言われてたな」
「た、た、たまたまだよ; 」


可愛い子でもいたんちゃうか?なんて鳴子君がニヤニヤしてるけど全然そういうんじゃなくて・・漸く仲間に出会えたというか、同じ趣味を持つ人が近くにいる感動というか、そう思うだけでペダルさえも軽くなる。


「みんな頑張れ〜!」
「・・・」
「名前、そろそろ、ね?昨日のヒルクライムでもそうだったんじゃない?」


ゴールに寒咲さんと苗字さんがいる。


「ラストスパートだ、みんな小野田に負けんな!」
「が、頑張れ〜!もうすぐゴールだよ!///」


登ってきた全員が苗字さんを振り返って見る。
大声出す苗字さん、初めて見た。


「なんや苗字、昨日かて今みたいに応援しとったら良かったのに」
「き、昨日は昨日、今日は今日; 」
「ほんならその調子でクリテリウムん時もワイの応援頼むで」
「え?くり?」
「クリテリウムは平坦のレースや。ワイが派手に優勝したるさかい」
「そんなのもあるんだ」
「クリテリウムには青八木と田所さんも出るから応援宜しくな名前」


苗字さんの側には常に手嶋さんがいて、声を掛けるタイミングにちょっとだけ悩む。
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