LONG NOVEL

わかってる? (24/46)

「純太」
「んー?」


ベットから起きあがり机の上のノートに向かう純太にベットに腰掛けたまま声を掛ける。


「今日惜しかったね」
「惜しかった?」
「うん」
「今泉?」
「違うってば、純太に決まってるでしょ」
「俺?惜しいってなにが?」


IHでの優勝者の小野田坂道や総合優勝したうちのメンバーの今泉が上位を取れるのは当然かもしれない。
私が言いたいのはIHメンバーじゃなかった純太が本当は凄かったんだって事。


「4位とか・・もうちょっとで表彰台上がれたんだよ?」
「あー、でも俺ほんとヤバイくらいギリギリだったからな;あと数メートルあったらぶっ倒れてたぞ、きっと」
「そうだとしても凄いよ純太・・・ちゃんと練習してたんだね」


そう言った私の顔をびっくりした顔で見入っている。


「今日の大会は俺の力がどうのより小野田がスランプから抜け出せるかの賭けだったんだよ」
「うん、抜け出せたぽいね」
「良い方に転んでよかったよ、考えたく無いけど小野田の調子があのまま戻らなかったらIH連覇は無理かもしれないしな」
「そんなに?小野田坂道の影響ってそんなに凄いものなの?」
「名前もあいつの追い上げ見てたろ?」


見てた、凄かった。
でもあの凄さを引き出せたのは純太のおかげでもあるんだよ?
わかってる?
小野田坂道が頑張れたのは、あんな辛そうな顔しながら頑張った純太を見たからなんだよ?


「今泉があいつの背中押してくれたんだろうな、急に笑顔で上がってきたろ?」
「あれは純太が」
「あ、そういえば小野田、閉会式の間ずっとボトル見ながらニヤついてたな」
「・・・ボトル?」
「あいつのボトル、何か書いてあったっけ?」


あ、すっっかり忘れてた・・
私小野田坂道のボトルに勝手に湖鳥のステッカー貼ったのよね。

それに気付いたから?
まさか・・ね;


「名前ちゃん、スイカ切ったから食べて行かない?」
「え、スイカ!?いただきます♪」
「昔っからスイカ好きだな、名前は」
「夏と言えばスイカでしょ。今しか食べられないし」


ノートを閉じながら立ち上がり、私の隣に並ぶ純太。


「明日からまた気合い入れていかねぇと。あ、そうだ、名前今度の休み予定ある?」
「え?」
「もしかしてイベント?」
「ううん、しばらくないよ、なんで?」
「一緒にツーリング行かね?MERIDAちゃん、全然乗れてないだろ?」

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