LONG NOVEL

残念なあいつ (13/46)

「あ〜それな」
「鳴子も知ってる?」
「知ってるも何も最近の小野田君の走りは全然ちゃうからな」
「そうなの?」
「何が原因かはみんなわかってるんやけど、克服するには小野田君自身が自分でせなあかん」
「・・・」
「ま、苗字は優しーく見守ってあげな」


鳴子にはそう言われたけど、普段と違う小野田坂道もその原因も全くわからない私には何もしてあげられない。


「前から苗字に聞きたい事あるんやけど」


ていうか、そういえば私みんなの走りちゃんと見たことがない。


「あんな、パーマ先輩・・手嶋先輩と幼なじみ言うとったやろ?ほんまにそれだけの関係なん?」


今までマネージャーの仕事を覚えるのに必死でそこまでする余裕なかったけど、マネージャーとしてメンタル面もサポート出来なきゃいけないよね。


「そうは見えんかったけど、もしかして手嶋先輩と実は付きおうてるって事あったりなんか」
「鳴子」
「Σえ?!もしやマジでそうなん?」
「私ちゃんとみんなに認められる様に頑張るよ」
「へ?;手嶋先輩と付きおうとる事?」
「・・・何言ってんの;純太が何?」


鳴子はその後、満面な笑顔で教室に帰って行った。

鳴子が後の方、何の事言ってたのか全然わかんないけど、マネージャーの仕事以外にもちゃんとロードへも目を向けないといけないって事だ。

あ、今度の部活が休みの日、幹に色々と教えてもらいに行こう。
ちゃんとロードの事を知って理解しなきゃ、何の為にテニス部辞めたかわからなくなる。


「おい」


幹ん家自転車屋さんって言ってたな・・
私もロード乗ってみようかなぁ、その方が見てるだけよりロードの事を理解出来るだろうし。


「苗字」


純太も誘ったら行くかな?
一人じゃなんとなく行きずらいし、うん、純太に付き合ってもらおう。


「おい!」
「!!!」


急に目の前に今泉の顔が現れて思わず椅子から落っこちそうになった;


「な、なに!?脅かさないでよ;」
「さっきから呼んでただろ?」
「え?知らない」
「!!!」


フイっと私から視線を逸らす今泉を下から見上げる。
黙ってたら普通にイケメンなのに、中身にかなりの問題があるわ・・・残念;

そう思ったらなんだか無性に可笑しくなってきて、今泉にバレない様に顔を俯かせる。


「さっき鳴子と一緒だったのか?」
「うん」
「なに話した?」
「何ってなに?」
「何って言ったらあれに決まってるだろ、さっきの、あれだ、あれ;」


うん・・本当に残念だ;
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -