私には恋人がいます。
イケメンで、優しくて、なにもかも完璧な幼なじみ。
でも、同時にその幼なじみ兼恋人が悩みの種であったりもするわけで…。
どうしていいかわかりません。
本当に愛されてるのか…とか、ただ単に私との恋人ごっこに付き合ってくれてるだけなんじゃないか…とか、
正直学校でもそんなことばかり考えてて教室でボーッとする日々が続いてます。
「なに考えてんの?***のクセに」
『ひょえっ!!…ビックリした、エースかぁー』
顔がいきなり出てきたから驚いていると、隣の子の席に座るエースに心臓が破裂しそうになる。
しかもなんか椅子をギリギリまで近づけてるし。アンタに距離感というものは存在しないんですか?
「悪かったな、俺なんかで。普段考え事しない奴がなんか考えてたから気持ち悪ぃって思ってな。揶揄しにきた。」
『うん、とりあえず最悪だね、アンタ。』
パックのジュースを飲みながら笑顔で話すエース。
はっきり言うとムカつく。
「飲むか?」
え、なんで口つけたジュース突き出した?周りの女子からの目線超痛いんですけど。
こんな状況に涙が出てくる。
『エースの馬鹿…。』
小さく言ったつもりが、どうやら聞こえてしまったみたいで、メチャクチャ不機嫌な表情になっている。
『周りの目とか気にならないの!?どれだけ私がエースの事を考えてたのか解りもしないで揶揄しにきたとか…!!最低…』
周りが静寂に包まれる。
私の啜り泣きだけが聞こえる。
そんな様子に見兼ねたのかエースが舌打ちしながら私を抱きしめる。
「周りの目なんて気にすんなよ。俺がずっと一緒にいてやるから」
今の彼の言葉に今まで考えていた事がアホらしく思えてきた。
周りの目より、エースを信用していなかった自分が恥ずかしい。
同い年の筈なのに、彼は私なんかより何倍も大人のような気がして、少し悔しかった。
「なんてな、授業始まるから俺戻るなー?」
そうやってはぐらかす貴方も、私は好きです。
一緒にいてやる
――その言葉、信じちゃうよ?
title by:確かに恋だった