| 親衛隊長と会長６ 「ユーリ…お前カナメには随分甘いのだな」 「あ？」 さーて今日はゆっくり寝るか、と布団を被った所で風呂から上がったジークが不満気な顔で俺の上にのしかかってきた。 「そーか？」 「私がお前の前で泣いた時などもっと扱いが酷かったではないか！」 「まぁあいつはどっちかっていうと生意気だけど弟みてぇなもんだし…っ」 そう言いかけた所で、遮るようにジークに唇を奪われた。 「っふ、ん、んぅ」 息を奪うようなキスに、先程の燻っていた熱が急速に高まる。 「なっんだ、…嫉妬してんのか？」 「当たり前だ」 そう素直に返されて喜ばない奴はいない。気分が良くなった俺はジークを抱き込むと、あやすようにウェーブのかかった頭を撫でた。 「…帰りたいとは思わないのか？」 「あーまぁ、ないとは言い切れないが…」 されるがままのジークが不安気な声を吐き出す。それに宙を見て考えた俺は、 「でもジークがいるからいいんだよ」 と、優しく額に口付けを落とした。そして顔を上げたジークの唇を誘うように食めば、それが合図だと言わんばかりに濃厚なキスを仕掛けられる。 ゆっくりと服に手をかけるジークを手伝うように自分からも服を剥いでいけば、まだ太腿にひっかっかったまま両足を左右に広げられた。 「ちょっ」 「すまぬ、もう我慢が出来ぬ」 荒い息と共に焦るジークの声と欲に濡れた目に思わず背筋がぞくりと粟立つ。 両足を抱えたジークは、勃ちあがりかけていた俺のものにゆっくりと舌を這わせた。 「っは、あ…こんな姿、従者には見せらんねぇな」 そう目線を落として俺のペニスをしゃぶるジークはまるで犬のようだ。臀部から見える尻尾は今か今かと左右に揺れている。赤い髪を掴みながら、俺は促されるように一度目の射精を楽しんだ。 「ふっ…う、はぁ、」 余韻に浸る俺の舌を優しく噛みながら、再度上に乗り上げたジークは尻尾をゆっくりと窪みに押し当てる。慣れた感覚に自分の秘部がひくひくと収縮するのを感じて気まずい気持ちになりながらも、入ってきたそれを大きく息を吐いて受け入れた。 「はぁ…っ、あ」 「すっかり慣れたようだな」 「…うっ、せ」 少し意地悪そうな声が落ちてきて反撃だと言わんばかりに尻の筋肉を引き締めれば、うっという声と共にジークは俯いて肩を震わせる。 それに満足していると、尻尾がここぞとばかりに出し入れを繰り返した。 「あっく、ぅ」 「もう、いいか…っ？」 切羽詰まった声が俺の耳元で囁かれる。頷き返せば、勢い良く抜かれた尻尾の代わりに硬く太いものが中へと徐々に入っていた。 「あっ、あーっ、あ、は、入…っ」 「ん、全部入った、ぞ」 圧迫感に呼吸を整えようと短い呼吸を繰り返す俺をジークは頭を撫でて待ってくれる。そして目線で合図を送れば、遠慮がちに、けれど確実に俺の奥をついてきた。 後は、お互い貪り合うように求めるだけだ。 「つ、かれた…」 「大丈夫か？」 「よく考えたら最近は帰ってきてから一回、寝る前に１〜２回ってパターンだったもんな…抜かずの３発はキツい」 「今日は邪魔があったのだ、仕方ないだろう。それに…」 「？」 「あんなにも誘うような態度を取られて、ずっと我慢していたのだぞ」 「あー…」 責められるような視線を向けられて思わず目を逸らす。確かにそれは俺が悪かった。 「まぁ良い。ユーリの気持ちも確認出来たしな」 「調子に乗んな」 嬉しそうに抱きつくジークを払いのけながらそれでも満更じゃない自分に、俺も変わったもんだ、とこっちの世界に来る直前、業務に追われ苛立っていた俺にカナメが言ってたことを思い出す。 『会長は、頼ったり甘えたり、全てを委ねられるような相手を見つけてください』 一人で抱え込んでいたらいつかパンクしますよ、そう呆れた視線を向けていた生真面目な親衛隊長。 どうやらその相手はこっちの世界にいたらしいぞ、カナメ。ジークを見ればキョトンとした目を向けられたので頬を抓って微笑んだ。 ら、盛られたので思いっきり鳩尾を蹴りつけておいた。 >> index (C)siwasu 2012.03.21 |