二人+夜=愛4 恐怖を取り除こうとしているのか尻尾は右足に絡み付くとそのままぐ、と持ち上げ俺の胸に押し当てる。正直な所、普通の男とするのと変わりないだろうと思っていただけに不安と羞恥は大きい。 尻尾は足から離れ、改めて窪みに自身を押し当てる。今までにない感触に俺は目を固く閉じて絶対に下半身の方は見ないと決意した。 「…っ、………っ」 つぷりと先端に異物が入ってくる。 内壁を擦れる痛みもなくゆっくりと中に入る滑りの良さに、尻尾の先端から何か出ているのであろうと予想して寒気が起こった。人のものでないそれが自分の中にいると考えるだけで不快感が胸を迫り上げる。 せめて相手はジークであることを認識したくて、手探りで身体を寄せると強く胸に抱きしめた。 「ユーリ、大丈夫だ、怖くはない」 そんな俺を宥めるようにジークは頬を優しく撫でる。 それに少し安心すると、固まりきった身体の力を抜いて目を開いた。すると尻尾に神経でもあるのか、少し息の上がったジークを見て俺は両手で相手の頬を軽くつまみ上げる。 「おい…っ、これで、最後まで致すとか、言う…な、よ…!」 「安心してよい、あくまでこれは前戯だ」 既にもう終わりたいと思ってるなんて言ったら泣くだろうか。 予想以上にすんなり入った尻尾は、俺の様子を伺いながら蠢き抜き差しを繰り返す。覚えていないが初めての時もこうだったのだろうかと考えて、すぐに止めた。比べるのは不粋だろう。 「ッく…、う」 「もう少し、我慢してくれ」 髪を撫でながら何度もそう囁き続けるジークの為にシーツを握り締めて不快感を堪える。 暫くして、前立腺が快感を覚え始めたのか背筋に走る甘い痺れに、俺は短く吐く息の中に小さな嬌声が混じるのが分かった。 「…あっ………は、…ぁ」 「ユーリ、どうだ?気持ち良くなってきたか?」 「い、ちいち、聞く…な…っあ、う…っ」 指とは違い関節のないそれは動きに自由がある為前立腺の周囲を執拗に嬲る。抜き差しを繰り返し広げるように円を描くそれに、先程までの不快感はどこへ行ったのか焦れた身体は高ぶった熱を持て余すように震えた。 「ユーリが段々と艶めかしくなってきておる…」 「実況、ッも…しな、くて、あっ、ジークっ!もういいっ、もう…!」 「優しくすると言っただろう」 いつの間にか再度固まりを持った俺のペニスは、先端から液を流して絶頂を迎えたいと訴えている。 けれど後ろの刺激だけではイけない物足りなさがもどかしくて俺は自身のペニスに手を伸ばした。だがそれを拒むようにジークに制されて、つい遠慮なく睨みつけてしまう。 「あ、イ、イきた…っ、っっっ、ジーク…!一回、イかせ…ろっ」 「…少し堪えてくれ。もう、終わる」 そう言って最後にもう一度中を広げるように内壁を回ると、ズルリと尻尾を引き抜かれた。もはやその感触すらも性感になっている俺は小さく喘いで荒い呼吸を繰り返す。 「はっ、あ…」 中から異物は消えたものの、持て余した熱は鎮まることなく体内で燻っていた。 それに焦れて身体を捩ろうとしたが、押さえるように両足を抱え上げられて下肢に視線を落とす。足の間からは勃ち上がり先端の濡れたジークのペニスが見えた。 通常時でも充分な大きさがあったのに、膨張したそれは思わず俺の喉を鳴らす威力がある。 マジで入るのかと引きそうになった腰は、足をジークに掴まれている為行動には移せなかった。 「う…」 「ユーリ、痛くはしない、絶対にだ」 覚悟はしていたものの、いざ現実として突き付けられると複雑な感情が混じるのは仕方ないことだろう。 俺は、胸中で色んなものと別れを告げつつ十字を切った。 >> index (C)siwasu 2012.03.21 |