「西崎様大丈夫ですか!?」 「ええ、何……とか…………ってお前か。いや、ある意味助かったけど」 時計を見ればあれから二十分。思ったより早く見つけてもらえたと思えば俺の親衛隊長である郡が泣きそうな声で駆け寄ってきた。 「うわあああああん、無事だったあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!出来れば僕としては媚薬を飲まされた西崎様が男たちに抵抗も出来ず屈辱の中喘がされ手淫で一度男たちの手にその精をぶちまけてしまい、出した精液で後腔に指を突っ込まれながらどんどんと慣らされ後ろの快楽を覚えていく自分の体に戸惑いを覚えつつも媚薬にとって高ぶった熱はもう歯止めがきかなくて、腰を揺らしながら男たちを誘う西崎様に男たちもすっかり野獣と化しその猛々しい陰茎を後腔に押し当てられいざ処女喪失――ってところで皇会長が颯爽と現れ男たちを蹴散らし、未だ熱が燻る西崎様が我慢できずに会長を誘いついにお浄めセックスからのカップル成立までを期待してたりもしてたんですけど、こうしてぼろぼろになって尚色気むんむん巻き散らかしている西崎様の何だかんだ怖かったのか少し蒼白な表情を見たらご自身で無事男たちを撃退されてて良かったと心の底から思いました、ええ思いましたとも!!!」 「…………今最高潮で具合悪なってきた」 くらり。 ふらついた体を何とか椅子の背もたれに手をかけることで阻止し、涙ぐみながら腰に巻きつく郡を半眼で見下ろす。 本当に心配していたのは分かるのだが、なんかこう、こいつだとイマイチ素直に感謝できない。 「ちなみにどうしてここが?」 郡の合図で入ってきたのは親衛隊の面子だった。てきぱきと現場を収拾していく様子を見ながら、何となく理由を察したがあえて聞いてみる。 「勿論!十瑠様が、この時間生徒会の業務についているはずの西崎様の位置情報が職員室に寄った後視聴覚室で不自然に止まったので『制裁レイプか皇会長との校内セックスの筈だからもしレイプだった場合は何としてでも助けだし、皇会長との合意の上でのセックスであれば覗いてきて状況をリアルタイムで報告してこい』と!」 「やっぱりか……」 十瑠は俺に対して妙なところで束縛が強いというか、監視したがる癖がある。 今回に限っては助かったというべきだが、何故先生の用事で視聴覚室に雑用を頼まれたという発想はないんだ……と頭を抱える。 「して、どうしましょうか?この男たちを先に風紀に突き出し、西崎様は保健室で治療した後風紀にお連れすることも出来ますし、何なら我々の方で被害者を作りレイプ未遂として通報することも出来ますが」 「……悪いけど後者で頼めるかな?」 他の親衛隊もいるので副会長モードを崩さないよう気を付けながら言えば、郡は最初からそう言われることが分かってたかのように一人の可愛い親衛隊を呼びつけた。 「安心してください西崎様、以前同じような被害にあったことがあるので辻褄合わせも問題ありません」 「……ごめんね」 おそらく以前の傷も残ってるだろうに、気丈にふるまって俺に笑いかける親衛隊に俺は苦笑して頭を撫でた。 すると、これでもかと言わんばかりに顔を赤くさせた親衛隊が俺を見てもじもじと体を揺らす。 「あ、あの、薬を飲まされた経験もあるのでお辛さは分かります、今はゆっくりと養生ください!」 「西崎様ぁ、僕にも皆みたいにもうちょっと優しくしてくれても……あっ、やめてくださいその蔑んだ視線、興奮してしまいます!」 蚤に優しさを与えても仕方がないだろう、とりあえず代わりに靴を踏んだら喜んだので良しとする。 まだ熱も収まっていない状態で気丈にふるまうのも疲れるというのに、この男は本当に俺の親衛隊なのだろうか。 ……もう一回ぐらい踏んどこ。 「あぁっ、痛い……!ち、ちなみに、犯人の予想もついているのですが聞いてもいいでしょうか?」 痛みに喜びつつも俺に耳打ちしてくる郡の冷静なところは嫌いじゃない。 自分でも未だ現状を落ち着いて把握できていないので、また後で話すと言えばこの場は大人しく引き下がった。後で詰め寄られることは覚悟しておこう。 「まずは保健室でその肩を治しましょうか、痛みはありますか?」 「それが恐ろしいほどにないんですよね……明日が怖いです」 「でしょうね……。でしたら現在の西崎様を連れまわすのも学園の毒なので、先に一度寮に戻られてはいかがでしょうか?保険医には出張で来てもらうという形で」 「毒とは失礼ですね」 確かに薬の効果もあって副会長として見苦しい格好をしているが、毒と言われるほどでもないだろうと抗議すると、何故かレイプ魔たちを上手に縛り上げている親衛隊までこちらを見て大きく息をつくと首を振った。 「西崎様。正直に申し上げますと、今の西崎様はどんな男をも惑わしかねない色気を振りまいていて我々にとっても目の毒なのですよ」 「そうです!ちなみに僕なんか最初に西崎様を見てから股間がずっとフル勃起って痛い痛い痛い痛い痛いからやめて!!!あ、でも蛆を見るかのような冷え切った眼で股間を踏まれるなんて貴重な経験今後もあまりなさそうなのでやっぱりもっとお願いします出来たらもう少し右寄りでって痛い死ぬ!!!!」 「西崎様、後は我々に任せてその汚いものから足を離してください」 「……ありがとうございます」 ……よーこんな男が俺の親衛隊長出来るな。 悶絶しながらも嬉しそうに痙攣している男を丁寧に縛っていく親衛隊の手際の良さを見ながら、これで普段縛り上げる練習をしているのかと妙に納得する。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |