03


「んっ、お兄ちゃんのおちんちん固くなったね」
「大きくてもうお口に入らないよぉ」

 こら、いくら声を潜めていても公共の場でそんな卑猥なこと言うな、もし俺の斜め後ろにいる神経質そうなおっさんに聞かれたらどうすんだ。通報されるだろ、俺が。
 視線で訴えるが、クソガキ共は俺の心中なんか意にも介さない、それどころか一人は亀頭を吸い始めもう一人は竿を舐め上げながらタマを愛撫し始める。
 分かった、認めよう。お前らのフェラチオテクニックはプロ級だ、俺の息子も公共の場だということを忘れて完全に勃起している、というか割と限界が見えてきている。だから今すぐその口を離せ、こんな密閉空間で射精でもしてみろ、臭いですぐ気付かれるぞ。

「お兄ちゃんのおちんちん、ピクピクしてる」
「ねえ、こっちもヒクヒクしてるよぉ」
「おい、ちょっ」

 だから卑猥な会話はやめろって言ってんだろ!
 小声で注意しようと口を開くが、クソガキの一人が突然俺の尻穴に指を伸ばして入り口を撫で始めた。しかもそのまま指を突っ込もうとするもんだから、俺は焦って尻に力を入れる。
 お前らにこれ以上好き勝手させるわけないだろう、不満げな表情を見せるクソガキを鼻で笑っていると、チンコをしゃぶり続けていた方のクソガキが頬を膨らませるクソガキに先程引き抜いた俺のベルトを渡した。
 おい待て、それで何をする気だ。
 意図を察したのか嬉しそうにベルトを受け取って俺の右足にそれを回すクソガキに嫌な予感がしつつ、俺は必死に抵抗を試みる。
 だが、ちょうど電車は大きなカーブに差し掛かったのか、俺の背中にサラリーマン共の体重が一気に寄りかかってきた。
 咄嗟にクソガキ共が潰されないよう窓についた両手で踏ん張っている隙に、クソガキはベルトを回した俺の右足を持ち上げて手すりと固定する。
 右足が手すりに縛られている状態に俺はしまった、と息を詰めた。足が持ち上がったことでスラックスはずり落ち、最早半ケツ――いや、全ケツになっている。後ろにいるサラリーマンが振り返って下を見れば完全にアウト、言い逃れ出来ない。
 俺はすぐにでも縛られた足を開放しようと窓についていた手を離すが、またもや急なカーブに寄りかかってくるおっさん共のせいで体勢を変えることが出来なかった。後ろのサラリーマンの鞄が尻に直接当たって、なんだか居た堪れない気持ちになる。
 こうして足を無理矢理開かれ尻穴に力をこめることが出来なくなった俺は、無邪気な表情を見せるクソガキ共に向かって必死で首を振るが、願い虚しくケツに唾液で濡らされた指を突っ込まれてしまった。


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(C)siwasu 2012.03.21


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