「っ、マオが愛しいから……奉仕したいし、喜んでほしいと思うんだ。君が感じてくれると僕も気持ちいい。……それを淫乱と呼ぶのなら、僕はもう……淫乱で、いい……」 俯き加減で耳を赤くさせながら呟いた言葉に、マオは思わず頭を抱える。 「だから、そういう……は〜〜っ」 「……呆れた、か?」 「逆だよ、逆。あとでシスが嫌だっつっても死ぬまで離さねえからな」 真面目で融通がきかず、頑固で意地っ張り。 しかも、あれだけ憧れの勇者に盲目していた男が、勇者とは宿敵の立場である自分を好きになるはずがない。 マオはそう思っていた。 (散々あんなことしたのにな……) 元々は情の厚い男だ。旅を共にしているうちに、ストックホルム症候群でも起きたのか、ポジティブに考えれば、初めから好意を寄せられていたのか。 どちらにせよ、今更その感情が勘違いだったと言っても、諦めてやるつもりはない。 「ずっと俺の横にいろよ、シス」 「んっ、ぅ」 頬を掴み、口付けを落とす。首に腕を回してきたので、強く抱きしめる。 自分の腐った人格や信条を、改善してやってもいい。 そう思える相手がまさか別の世界で、しかも男だとは思わなかったが、縋りついて舌を絡めてくるシスの必死な顔を見れば、可愛いからまぁいいか、と納得する。 マオは濡れた窪みに二本の指を沈ませると、丹念に解していく。 「はぅっ、あ、あっ、あ……じ、自分で」 「シスが俺で感じてるところが見たいからやだ」 そんなことをしなくとも、濡れそぼったその場所は受け入れる準備が十分に整っているのだが、やはりするとしないとではシスの負担も違う。 シスは焦らされる快楽に小さな嬌声をあげ続ける。 「あっ、そこ、ぐりぐりって、ぇっ、したら……っ」 「前立腺だもんな。やっぱまんこになった時と感覚も違うか?」 「んぁっ! あっ、こっちはぞくぞく、する、んだっ……気持ちいいのっ、ずっと続いている感じが……ひっ、はんっ、んっ、んんっ」 マオの肩口に額を押し付けて甘い声をあげるシス。 指で擦られ、押し潰されると、睾丸に甘い快楽が広がって、肉竿がひくつく。 広げるように動かして内壁を擦られると、腰から下が溶けてなくなっていくような感覚に襲われた。 「マオ……もぅっ」 「分かってるって」 切ない声で乞うと、突如指が引き抜かれる。 仰向けに倒され、そそり立つ凶悪な怒張が股の間から顔を覗かせた。シスは思わず唾を飲みこむ。 「あ……」 「別に初めてじゃねえんだから、んな照れんなって」 「か、感情論の問題だ。今まではどこか割り切っていたが、今は、そ、その、想いの通った恋仲として……」 「そこすっ飛ばして婚姻結んだけどな」 改めて羞恥に包まれたシスをマオが茶化す。 鋭く睨みつけるが、少し目を伏せたあと、シスは躊躇いがちに腰を浮かせた。 覆いかぶさるマオを見上げて、熱い吐息を漏らし、怒張をゆっくりと人差し指で撫で上げる。 「いいから、早くいれてくれ。マオのもので中をかき回されたくて、奥が切ないんだ」 「……もっとエロく」 「頼むからもっと情緒を大事にしてくれ!」 何故この男は、想いを通じ合わせてから初めて繋がるという大事な場面すら、台無しにするのか。 思わず目を瞠り声を荒げるシスに、マオは冗談だと軽い口付けを落とした。 「ま、今までの中で一番ちんこにきたからいいか」 「本当にばかだな、君は」 シスは呆れながらも微笑んで、マオの首に腕を回し引き寄せる。 ここで「耳が赤いぞ」と言えば、彼はどのような反応を見せるのか。 素直になれない天邪鬼の照れ隠しに愛しさを覚えていると、ようやく窪みに昂りが押し付けられた。 その感触に、待ち望んでいた孔が収縮を繰り返す。 「は、ぁっ……あっ、んぅ」 ずっ、ずるっ、ずっずっ、ぬぶぬぶぬぶッ。 いつもより緩やかな動きで中を圧迫していくため、感覚が強く脳を揺らす。奥へ奥へと進む度、じわじわ肉壁が襞へと変化していく様を実感してしまう。 うねるそれが逸物を更に先へと誘い、全て入りきったところで、シスは大きく息をついた。 「おい、シス。生きてるか?」 「あ、たり……まへ、ら」 「あー、やっぱ飛びかけてるな。もうちょっと頑張れよ、シスリウス」 「ん……う、あっ」 名前を呼ばれただけで軽く射精してしまう。 逸物を受け入れると、脳が蕩けたように何も考えられなくなる。 全身が悦びに震え、次にくる快楽を期待する。 けれど今は彼と繋がっていることを、シス自身で受け止めたいし、感じたい。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |