「……俺が寝てる間に、随分楽しそうなことしてるじゃねえか」 「っ!?!?」 聞こえてきた声に、シスは驚きに体を跳ねさせた。その際に指が前立腺を引っ掻いてしまい、強い刺激に甘い悲鳴が漏れる。 「んあぁッッッんン」 「んあんっ、じゃねえよ。アンアンアンアン、横で喘ぎやがって。そんなにちんぽ欲しけりゃ起こせば良かったじゃねえか」 「は、ぁ……え? ま、マオ……?」 一方、夢中になっていたシスはすぐに状況が理解できなかった。 マオはアイテムボックスからファイヤーフライの光を取り出す。短時間で範囲は狭いが、お手軽な光源として人気のアイテムは、この状況を確認する程度なら丁度いい。 暗がりの中、影のみだったその場所にシスの姿が浮かび上がる。 股を開き、腰を浮かせ、尻穴に指を入れながら乳頭を摘まみ上げる恰好。 何故、勃起した逸物があるのに触れていないのか。 マオは疑問が浮かび上がるも、流石に可哀想かとシスの名誉のために指摘するのはやめておいた。 「あ、え……あう……あ……」 光源のおかげで、シスもマオの顔が見えるようになり、聞こえてきた声が幻聴でないことを知ると、目尻に涙を浮かべる。 本当なら、逸物を何度か擦って射精するだけのつもりだった。 それなのに刺激を求めて胸を弄り、尻を愛撫し、あまつさえ何と言っていたか。 呆れながら口を開いたマオを遮るように、シスは叫ぶ。 「あ――」 「マオのせいだっ!!」 「……は?」 「き、貴様が僕にこんな、は、はしたないことを教えたから……っ! そのせいで、いつもならすぐ終わるのに出せないし、胸も臀部も疼いてくるし、指だけじゃ物足りないし……」 「そりゃ、あんだけズコバコやってたら、なぁ」 「だっ、だから僕がこんな淫らな体になったのは、マオのせいだ! 不可抗力だ!」 そう言って強く目を閉じるシス。 マオは下腹部に人差し指を向けながら半眼を送った。 「人のせいにするのはいいけどよォ、とりあえず指……抜いたら?」 言われて、自分の両手がまだ愛撫の途中で止まったままだったことを思い出す。 シスは指を引き抜こうとして、しかしその手を止めた。 マオは不思議そうに首を傾げる。 「別に続けたかったらいいけ――」 「マオは、もう僕が必要ないのか?」 そう言った声は震えていた。 シスは続ける。 「僕に、相手をする魅力がなくなったのならはっきり言ってくれ。改善すべき部分があれば努力しよう。……しかし、興味を失っただけなら、大人しく受け入れ……っ」 泣きそうな顔で黙り込むシスに、マオは大きくため息をつくと、首を横に振る。 「いやいや、もう魅力がないなら、俺のちんこもお前のそんな姿見てこんなことにはならねえって」 そう言って下衣と下着をずらすと、布から解放されたマオのそそり立った逸物が、ぼろんっ、と飛び出す。 太く硬く、はちきれんばかりに血管を浮かび上がらせて勃起した怒張に、シスは思わず息を呑んだ。 「……っ」 「見ただけでんな涎垂らすなよ」 「よだ……っ!? たっ……っ、垂らしてない!」 「いや、今舐めたじゃん」 あからさまに表情を変えたシスに、マオはジト目を送る。 シスはといえば、ずっと欲しかったそれが目の前に現れて、冷静だった思考がまた性欲に支配されていた。 (マ、マオのおちんぽ……っ。太くて硬いの……あ……あれでごりごりされたい、奥をいっぱい突いてほしい……精液を中にたくさん注いでほしい……っ) 「……すっげー顔」 逸物から目を逸らせないでいるシスの物欲しそうな表情を見て、マオも熱い吐息を漏らしながら、勃ちあがった逸物を握りこみ上下に擦る。 「これ、シスのけつまんこに突っ込んでほしい?」 「っ! ほしっ……あ、いや、それ、は」 思わず食いつくように答えてしまうが、すぐ我に返って言葉を濁らせる。だが、躊躇いながらもシスはマオを見上げて、羞恥に声を小さくさせながら言い直した。 「ほ、ほしい……いれて、ほしい」 「ンッ」 マオは顔をしかめて逸物を握りこんだ。好きな相手が尻に指を突っ込んでオナニーしながら強請ってきたのだ。 つまり、シスの上目遣いのおねだりだけで射精しそうになった。 マオは射精感を耐え抜くと、断られると思ったのか不安そうに眉を下げるシスを見て、下卑た笑みを浮かべる。 「……まぁ、挿れてやってもいいけど? どうせなら、もっと大胆にエロく、そそる言葉で誘ってみろよ」 「は?」 「俺をそのメス穴にぶちこみてぇって気分にさせてみろ、って言ってんだ」 「……っ」 そう言って見下すマオに、シスは怒りを覚えるも、唇を噛み締めて足を折り曲げると腰を浮かせた。 悔しいが、体はもう限界だ。早くマオが欲しいと疼いている。 羞恥よりも、もっと即物的で強い刺激で満たされたい。 マオが良く見えるように尻穴を指で広げながら、シスは熱い吐息を漏らす。 「ぼ、僕のおまんこに、マオのちんぽをいれてほしい……」 「うーん……まだ理性が残ってるな。さっきみたいにオナニーしながら誘ってみろよ」 「う……わ、わかった」 マオの要求に、シスは渋々指を動かそうとして、肉壁がすっかり乾いていることに気付いた。 もう一度唾液で濡らしてもいいが、それよりも熱くてどろどろになれる方法が、目の前にある。 「マオ……すまないが、唾液をもらえないか? 自分ですると、その、濡れなくて……」 「もっと下品に」 「は!?」 無茶な要求に思わず怒りがこみあげる。 しかし、マオは言うまで入れる気はないようで、ニヤニヤと口元を緩めるだけだ。 羞恥をかき消すように頭を振ると、仕方なく足を大きく開いた。 「っ、あ……う……マオの唾をのみたい、ごくごくしたい、僕のおくちに……垂らしてほしい」 シスは股の間から、マオを見つめて言う。 「でも、本当はこっちのおくちで、ごくごくできると……もっと、うれしい……」 「っ!」 誘惑は成功したらしい。 圧し掛かるマオの動きに合わせて、シスは尻を上に掲げて、まんぐり返しの体勢をとる。 頭上を向いた双丘を掴みながら、マオは首を傾げた。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |