びりびりと痺れる感覚に陰茎では得られなかった快楽を見つけて、シスは戸惑いながらも陰茎を擦りあげつつ胸を摘まみ上げる。 しゅっしゅっ、しゅっしゅっ、こりっ、こりこりっ、こりっ。 「んっ……ふっ、んぅっ、んっんっ」 (ひもっ……きもちいい……っっっ) 今までの自慰で感じたことのない快感と中毒性。 マオとの行為とは違う、自分ペースでの快楽は、とても心地が良く、シスは夢中になって勃ちあがった逸物と胸を弄り続けた。 「ふっ、んぅっ……ん、んんっ、んっ」 昇り詰める快楽、昂る興奮。 しばらく楽しんでいたシスだったが、徐々に不安と焦りを覚え始める。 (なん、でっ……イけない……っ!?) 確かに体は、陰茎のみで昂っていた時より悦びを感じている。 だが、やはり射精に至るほどの絶頂は来ない。むしろ、持て余した熱に苦しさを覚えるほどだ。 今までの自慰でこんなことは無かった。数回擦って勃起すれば、すぐ達することが出来る。その時よりも確かに快楽は強いはずなのに、何故いつまで経っても解放されないのか。 シスは、目を背けていた別の疼きに意識を向けた。 陰茎でも胸でもない、臀部に覚える痒みのような情欲。 その場所から、今まで以上の強い刺激が得られることは、既に知っている。 自分でそこを慰めることには躊躇いがある。しかし、このまま燻ぶった熱を解放出来ない方が辛い。 シスはゆっくりと深呼吸すると、覚悟を決めて、陰茎を握った手を奥へと伸ばした。蟻の門渡りを滑らせ、その先にある窪みへと指先を埋める。 けれど、いつもはない痛みに、すぐその理由を思い浮かべて顔を赤らめた。 (そうだ、いつもはマオとの口付けで濡れていたから) 濡れるはずのないそこは排泄器官であり、本来なら性交に使われる場所ではないことを思い知らされる。 シスは一度指を離し、自分の唾液を絡ませたあと、もう一度閉じられた蕾へと侵入した。スムーズに進むことが出来ず苦戦したが、ようやく中指が第二関節まで入ったところで息をつく。 (たかが指一本入れるだけで大変だとは) いつもなら口付けを交わしただけで胎の奥が熱くなり、閉じられた孔は悦びながら異物を迎え入れていた。 しかし、今は性交の相手がいない自慰行為。アダルトアイテムとしてではなく、男として臀部を慰めなければならない。 シスはそれに寂しさを覚えながらも、指を曲げて中を探った。 (確か、いつもマオが触れていたしこりが、この辺りに……) マオとの行為を思い出しながら、前立腺を探すシス。 だが、ある場所は分かるのに、上手く触れることが出来ない。 もどかしさだけが募っていく。 指の数が足りないのかと、シスは意を決してもう一本侵入させた。二本の指で探っていると、ようやくしこりらしきものを見つけて、その場所を指腹でぐっ、と押してみる。 「ひぁっ!?」 全身を痺れさせる疼き。訪れた刺激に、シスは驚いて肩を震わせた。今まで以上に強い快楽は、射精感を強くしていく。 シスは何度もその場所を擦り、押し潰し、こね回した。 しゅっしゅっ、こりっ、こりっこりっこりっ……くにっ。 「ぁっ……あっ、んっんっ、んぁっ」 (こ、これだ……いつもビリビリする場所……きもちいいところ) シスは夢中でその場所を慰め続けた。 止まっていたもう一方の手も、胸の愛撫を再開させる。下腹部と胸部、同時に感じる刺激に浅ましく腰をくねらせた。 「はっ、ぁ、あ、あ……っ」 しかし、続けているとそのうち物足りなさを覚えてしまう。腹部――胎の奥が、むずむずと疼き始めたからだ。 指の届かない場所。マオの熱く硬い逸物でしか貫けない場所。 その場所に、欲しい。孔を限界まで拡げて、内壁を擦りあげて、奥を突いて、我を失うほどの激しい享楽に溺れたい。 シスは指を更に奥へと侵入させて、逸物に見たてながら抽挿を始めた。そのうち寝袋が邪魔になって足で押しやると、股を大胆に開いて愛撫を続ける。 にゅぽっにゅぽっ、にゅぽっ、くぽっこぽっ……こりこりっ、 くにくに……くちゅっ、ぬちゅっ。 「んあっ……あっ、ぁんっ、ンっ、あっ、あぁんっ」 シスは腰を浮かせて、二本の指を夢中で動かす。 乳頭を強く摘まみ上げると、逸物から先走りの汁が零れた。 それでも射精にはまだ足りない。 「あっ、んっ、やだ、もうイきた……っ、おち、んぽ……おちんぽ……っ、おちんぽほし……ぃっ」 くちゅっぐちゅっ、ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ、ぐりゅぅっ、じゅぽっじゅぽっ。 へこへこと腰を上下に動かして指をマオの逸物だと思い込んでみるが、知っている刺激とは程遠い。 それでも我を忘れて自慰に耽るシス。 いつの間にか大胆になった行為と声に、隣にいるマオが眠り続けることなど可能なのだろうか。 ――勿論、目を覚まさないはずがない。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |