「ひぐっ」 「あ、またケツだけでイっただろ」 「あ、ひ、きさ……まぁ」 膝を震わせながらマオを睨みつける。だが、緩んだ顔では何の迫力もない。 しばらくして、シスは何とか自分で仰け反った上体を戻すと、マオの胸に倒れ込んだ。 甘える気になったのかと思ったが違うらしい。 対面座位の体勢でまた軽く絶頂を迎えつつ、呼吸を整えている。 どうやら落ち着きを取り戻そうとしているようだ。 肩口で吐息を零す仕草がいじらしくて、ついシスの背中を撫でていたマオだったが、それに気付くと腰を掴みなおして体を揺すり始める。 ゆさっ、ゆさっ、ぐち、ぐちゅっ、ぐりゅ、ぐりゅ……うっ。 「あぅっ、や、あっ、またきて――あっ、あっ、あんっ、ンン――ッッッ」 (トんでるうちにヤりたおしとこ) 自らの体を作り変えられ、正気に戻ったシスが喜んで股を開いてくれるとは思えない。また絶頂を覚えたのか、マオの首に腕を回して必死に縋りついてくる。 「はっ、はー……っ、あっ、ん、ん……ん」 「なぁ、分かる? お前のここ、完全にまんこになってんの」 「ま、ん……?」 世俗の下品な言葉には疎いところがあるシスは首を傾げる。 マオは結合部を円に沿って撫でると、会陰に指を這わせ、その場所を押し潰す。痺れが走ったのか、足にきゅうぅぅっ、と力がこもった。 「女のアソコ。女性器。ちんこを受け入れて孕むための場所。シスのケツは、新しいアビリティで性器に生まれ変わったってわけだな」 「せ……あ……そ、んな……」 「さっきから射精してないのにアクメしてんのが証拠だろ。尻穴はまんこになって、前立腺はGスポに変わって――もうここまでくると、オナホってより女だわ。胸はねえけど」 「ひっ、さ、さわ……なぁ」 くにくにくにくに、こりっ、ぐに。 服の上からでも分かる乳頭を指で擦りあげると、腰が面白いほどに揺れて、襞が吸い上げるように逸物を締め付ける。 シスは小さく喘ぎながらも、何か言いたいことがあるのか戸惑いを含んだ視線で下腹部を凝視した。 「ま、さか……僕が……から……こ、んな……」 「なに」 「……んでも、ない」 聞き取り辛い声に顔を近付けるが、視線を逸らされる。 マオは体を上下に揺すりながら探るように中を擦りあげた。 「シスのGスポはここかなぁ〜」 「ああぁぁぁぁぁっ! おっ、アッ……あん、あんっ、だめっ! そこ……いぁっ、んんん……っ」 ごちゅ、ごちゅんっ! ぐぬ、ぐりぐりぐりぃ……っ。 腿の付け根を押さえつけ、入り口のざらざらした部分を刺激すれば、シスは唯一動く上半身を蛇のように動かした。 本来なら開発して磨かれる場所なのだが、既に性感帯として刺激を感じることができるようだ。 「ひっ、ふー……ふー、ふ……」 「……で、なに?」 顔を覗き込むと、瞳を潤ませたシスは一度マオを睨みつけたあと、苦々しく口を開く。 「昨日、一瞬でも……考えてしまった……。僕の受け入れる場所が……その、女性のようになれば……マオも満足するのではないかと」 「…………」 「もっ、もう一つのアビリティだってそうだ! プラントーブに襲われた夜、僕は丁度合成について考えていた。そのせいなのか……? まさか、僕の体がこんな卑しいものになるなんて……んんっ!?」 マオはシスの言葉を遮り唇を重ねた。 触れるだけのつもりが、薄く開かれた口に誘われて思わず舌をねじ込んでしまう。 絡め、吸われ、マオの舌を犯すようになめ尽くす。薄く目を開いて見れば、シスは自分自身に戸惑っているようだった。 それでもその身に快楽は受ける。気付けばマオにしなだれるように口付けをせがみ、舌を突き出していた。 ぬろっ、ぬるっ……くちゅくちゅ……ちゅる……。 「んんっ、ん〜〜っ! ふっ、ふぁっ、んっ……ん」 「んっ……はは、シス……お前、本当に勇者様が大好きなんだな」 「あっ、あう……」 舌の先端を軽く噛んでやれば、甘えるような声をあげる。 また達したようで、膣が新たな愛液を滲ませながら悦んでいた。 「いや、それとも俺が好き? だから俺のためにこんなやらしい体になりてぇって思ったのか?」 シスは黙って唇を噛み締める。 どちらとも取れる反応に、マオは胸中で乾いた笑みをこぼした。 (これで俺が勇者じゃないって知ったら……こいつ、どんな顔するんだろ) マオが本当は魔王だと知れば、勇者を心酔するシスのことだ。 恐怖して、拒絶して、騙されたことに絶望して、憎悪をぶつけてくるかもしれない。 想像したら気分が悪くなった。 誰に嫌われようと心が動いたことはないが、シスには嫌われたくない。 散々な仕打ちを繰り返しておきながら今更な話ではあるが。 だが、そんなしおらしい考えも一瞬のことだった。 「だったら、勇者とか関係なく俺のちんこを好きになれば問題ねえよな」 「な、なんの話……ひぃっ! あっ、あっ、あ、あん! ひっ、ぐぅっ」 マオが話は終わりだと言わんばかりにシスの腕を掴むと、下から容赦なく突き上げる。 中を擦りあげ奥を貫けば、陸に上がった魚のように跳ねるシスが快楽の涙を零しながら首を振った。 「あぅっ、あっ! ああぁぁっ! おく、ぅっ……ごりごりっ、したら、やめっ、おかしくなる……っ」 「ははっ、こんなにイきまくってんのに今更だろ」 「ちがっ、ま、ぇ……んあっ、さっ、き……からぁ……な、にか……ふうぅっ」 「ちんこか?」 そう言って勃起したまま射精もせず、動きに合わせて揺れているだけの陰茎に手を伸ばす。 竿を握り擦りあげると、シスは悲鳴のような声を響かせた。 「ああぁぁあぁぁぁっっっ! だめっ、だめっ、だ、ぁ……っ、また……あ」 「んだよ、誰もこっちでイくなって言ってねえだろ。イきそうなら遠慮なく出せよ、ほら」 こすっこすっ、しゅっ、ぬちゅっ、にゅるっにゅるっ。 マオが陰茎を刺激する度、睾丸が持ち上がって震え始める。 女性としての絶頂を続けざまに感じて、射精のやり方を忘れたのだろうか。 そんな心配をよそに、シスは顔を歪めて泣きじゃくった。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |