「お前なァ……やめろよ、そういう可愛いこと言われたらちんこ余計にデカくなるじゃん」 「はっ、話を聞いていたか!? 僕はやめてほしいと言って……ァアンッ」 奥まで詰め込んだ亀頭をぐりぐりと回せば、すぐにシスの声は甘い悦びを乗せる。 要するに「顔が見えなくて不安だ」と言っているシスに、マオは体を引き寄せて胸までこちら側に引きずりだした。 シャツが捲れて露わになった背中に口付けを落とす。膣内が控えめに締まる。 「ちんこ元気だからやめるのはヤダ。代わりに優しく抱いてやるから、安心しろよ」 「はぁんっ! あっ、あッあッあッ、そ、んなっ、〜〜っ、ひぅっ」 優しい言葉をかけても、やはり根はクズの男だった。 だが言った通り、確かにそれからの動きはシスの体を気遣うように、シスの快楽を優先するかのように動き始める。 シスが感じれば膣が締まって自身も気持ちいいので、結果的には変わらないのだが、今まで自分本位に貪ってきたマオにとっては珍しい行動だ。 「あーっ、あっ、それ、あッ、あぁァッ」 「これ気持ちいい?」 「アッ、いいっ、んあッ、ぁんっ」 「あー、俺も今、お前の顔すっげぇ見てえ」 「あ、ま、ぉ……」 熱と共に吐き出された言葉は低く色気を孕んでいて、それが本心であることを伝えていた。 壁に手をつきながら俯いていたシスは、耳が愛撫されたような疼きを感じて顔をあげる。 しかし、目の前に広がった予想外の光景に、シスは思わず飛び跳ねた。 「っ!?」 「なんだ、おめ」 「そごさいるど、通れねよ」 「邪魔だ邪魔だ」 「あ…………」 シスの目の前には、不機嫌そうな、三人の小さな妖精。 三人の中年男のエルフたちが、弓を持って仁王立ちしている。 どうやら、この穴を通って外に出たいようで、穴を塞いでいるシスに億劫そうな目を向けてきた。 「ぁひんッ」 「どうしたシス、すっげえ締まり良くなったけど」 「ま、まお、ちょっと止ま……っぁやぁぁあんっ」 どうやらマオは、エルフたちの存在に気付いていないらしい。 執拗に前立腺や奥を擦り上げて快楽を与えてくる。シスは咄嗟に口を押さえると、声を殺し耐えた。 「んっ、んんっ、んぅーっ」 「なんだ、ごいづ」 「便所でも我慢すてらのが」 「それにすては顔真っ赤だ」 壁の向こう側で行われている情事に気付いていない三人のエルフたちは、不思議そうにシスを見つめる。 その会話がようやく届いたらしい。マオは緩やかな抽挿を繰り返しながら耳をすました。 「あー、あぁ……ははっ、なるほど」 「は、ァ、あんっ、ん〜〜ッッ」 状況を理解したマオは、やめるどころか動きを速めていく。 シスは口を塞ぐ手に力をこめた。 「わりい、すぐイくから最後までヤらせろ」 「んんッ、んぅッ! ふっふっ……ふぅンッ」 じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽ、ぐちゅんっ、ぐぽッ、ぐぽぽっ、ぐりゅんッ! 激しい動きに、シスの上半身はがくがくと痙攣する。 流石のエルフも、その様子と聞こえてくる音で気付いたのか、シスを指さして首を傾げた。 「なあ、もしかしてごいづ、交尾すてんじゃねえが」 「なるほど、どうりで体揺れでらど思った」 「お盛んだなぁ」 エルフたちはシスの状況を理解しても動じることはない。 ただ興味深そうに見つめるだけだ。 「ふぅっ、ン、んぐっ、ふーッ」 「はは、交尾って……その通りだけど」 マオはそれを聞いても笑うだけで、この状況を楽しんでいるようにも思える。 絶頂が近いのか、叩きつけるように奥を突かれ、シスは振動から徐々に声を漏らし始めた。 「ん、ンッ! ぁ、んんっ、はァ、んっ」 「姉っちゃ、気持ぢいのは分がるが、そごはわんどの道なんだよ」 「そうそう、どいでぐれねば困る」 「そ、ぉんな、ことぉッ、あンっ、あっ、アッ、言われて、も、ぉっ……んんっ!」 「こりゃだめだ」 エルフたちは呆れたように肩を竦めた。 止めて欲しいなら、マオに言ってくれないとどうしようもない。 この場から解放されたいのはシスも同じなのだ。しかし、中を穿たれ、快楽に捩れているだけの自分の力では、到底やめられることなどできない。 エルフたちはため息をつくと、その場に座り込んだ。 「しゃあねえ。終わるまで待づが」 「あっ、ンアッ、あぁんっ! あぅっ」 「人間の交尾ってどれぐらいががんだ?」 「はぁっ、あ、アーッ! も、あァッ」 「そった長ぐねえだべな」 「あっ、あっ、あっあっ……あ、あっ」 ぐぽっぐぽっ、にゅぶっ、じゅこじゅこ、じゅぷんっ、ぐりゅっ……パンッパンッパンッパンッパンッ! 限界が目前となって繰り返されるピストン運動に、シスは舌を出しながらはしたなく嬌声を漏らす。 そんな様子を、まるで動物の交尾でも見ているような目で、三人のエルフたちは見守っていた。 「だめッ、や、ら、ぁンっ、ァあッ、見な、でぇっ」 「んなごど言わぃでも、おめさんが道塞いでらはんで、わすらは動げねえんだ」 「早ぐ受精すてぐれよ」 「そうだど」 それを言われてしまうとシスはもう何も言えない。 聞き慣れない直接的な単語に耳を赤らめていると、聞こえていたマオが喉でくつくつと笑った。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |