「お前の敬語、普段聞かねえ分すげえ興奮する」 「アッあっアァンッ! あッ、そこぉっ……や、あっ、アッ、ぁぁンッ」 ぐぽっぐぽっ、じゅぽっ、ぬぶぶっ……ぐっぽ、ぐっぽ。 きゅうきゅうと締まる膣は、悦びを隠しもせず淫らに痙攣する。 本人は気付いていないようだが、すっかり膣内での絶頂を覚えたシスの体は、繰り返し訪れるオルガリズムに何度も収縮を繰り返していた。 その名器とも呼べるしめつけに、いつもマオが射精を堪えていることも知らないだろう。シスには秘密だ。 尻をペチペチと軽く叩きながら、マオは壁の向こう側に向かって尋ねる。 「なァ、いい子のシスは、ちゃんと自分のケツが今どうなってるか言えるよな」 「はぇ……ひぎぃっ!」 シスが呆けた声をあげるので平手を強くすると、足がピンと突っ張った。 「言えるよな?」 「い、言えますっ! おしりが、いっぱいッ、ひろがってます……っ!」 まくし立てる声に、マオは問いを続ける。 「拡がってるだけ?」 「なか、しめて……アンッ、出入りを、んっ、繰り返すたびッ、はぁっ、うねって……ッ」 「何が入ってんの?」 「まおのぉ、せぃき……あァッ! いた、ぁ……っ」 今までとは反応の違う悲鳴があがる。マオが腫れた尻に爪を立てたのだ。 シスの張りつめていた逸物から、どろりと白濁が垂れ落ちる。 彼は意外と痛みに弱い。特に、挿入後は全ての刺激が快楽に変化するようだ。いつも快感に我を失うシスは、そのことに気付いていない。自身が射精したことすら分かっていないはずだ。これも、マオだけの知る秘密だった。 マオは爪を深く立てながら、優しい口調で窘める。 「いい加減に覚えような。お前のおまんこを犯してるのはちんぽ、おちんぽでもいいぞ」 「あっあっアァンッ、あっ、お、ちんぽがぁっ、ぼくのおまんこに、あぁっ! はいって、ンア、おくに、たくさん、くちづけを……ひあアぁッ」 「うーん、どっか上品なんだよなぁ」 マオは肩を落として腰を強く打ちつける。 元々は王族なので仕方ない。それでもシスが低俗な言葉で己を辱める姿が見てみたい。 物覚えはいいため、徐々に行為中の口調も砕けてきてはいる。 いずれ、普段のすました顔からは信じられないような淫語を言わせてやりたい。そんな嗜虐心を膨らませながら、マオは背筋を伸ばした。 腰の位置が高くなったことで、シスの足が数センチ宙に浮く。 「あぁァんッ、あっアッあっァアンッ! ぁんっ」 「おい、まだ実況終わっていいなんて言ってねえぞ」 ずぼっずぼっ、グチュッ、ずりゅう〜ッ、じゅぽんっ……じゅっぽじゅっぽ。 「ひぐっ、あっあっ〜〜っ、……や、ぁ、もぉっ、あっ、やらぁ……っ」 どうやら、顔が見えないせいで反応が分からない分、追い詰め方も激しくなっていたようだ。壁の向こう側の艶やかな声が徐々に薄くなる。 代わりに、すすり泣く音が聞こえてきた。 「ぐずっ、ふっ、うぅっ」 「……泣いてんのか?」 マオは動きを止めて腰を撫でた。びくりと揺れながらも、それ以上の反応を見せないシスに困っていると、ようやくか細い声がする。 「き、さまがっ、ひっ、く、意地のわるいことばかり、言う、からっ」 「おいおい、やめろよ、俺の見えねえとこで泣くなんて」 本当に泣いているのだと分かって、いよいよマオは困り果てた。 泣き顔が好きなので見えないのがもどかしい。だがそれ以上に、本気で嫌がっているシスに無理強いを続ける気持ちが、とんと湧いてこない。 人の嫌がる顔と泣き叫ぶ顔が、三度の飯より大好きなマオだが、何故かシスにはそれが当てはまらない。今回のように本気で泣かれると、どうしていいのか分からなかった。 黙っていると、シスはまた壁の向こう側で泣きじゃくりだした。 「なぁ、そんなに嫌なら――」 「うっ、うぅっ、も、いやだっ、かお見えなっから、さっきから、こわ、くて……」 これ以上続けても逸物が元気を無くしていくだけだろう。 そう思ってシスに声をかけると、重ねて聞こえてきた言葉は、少し予想外のものだった。 「するならせめて顔がみたい……っヒン!」 シスの腰がびくりと跳ねる。足を掴み持ち上げたマオが、股間を強くうちつけてきたからだ。話を聞いて、さっきまでのしおらしい表情は一転、ニヤリと意地の悪い笑みを見せる。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |