06


「あっ」

 白い肌に浮かぶ陰核のように艶やかな乳頭。それを視界に入れたシスは、目尻を赤く染めあげる。
 布で覆う前よりも育った果実は、すっかり性器としてその存在を主張していた。
 プラントーブの分泌液を塗りたくられ、ろくに身を清めもせずにいた十日足らず。
 その間に粘液の毒が染みわたったせいで、このような状態になったのだが、シスには知る由もない。

「お前、どこまで俺好みの体になってくわけ?」
「し、知らな……っ……ぁあ!」

 欲の孕んだ目を向けられシスは首を振った。
 マオは胸に顔を近付けるなり、誘惑する突起に舌を這わす。

 ぬろっ、ちゅるっ、くちゅっ、じゅっ、じゅるっ。

「あーーッッッ! あぁっ、あっ、舐、めなっ」

 唾液でぬめりがあるせいか、指とは違う甘い痺れに、シスは耐えきれずマオの髪を掴んだ。
 引きはがそうとするも、舌が突起を弾くたびに、背を反らしてしまうので、まるで強請るように胸を突き出してしまう。

「い……ッ、あ、ああっ、あっ」
「ちんこ、勃ってるけど。そうか、そんなにおっぱい舐められるの気持ちいいか」
「ひんっ、んんっ」

 テントを張った下腹部を腹で押しつぶされ、シスは思わず射精しそうになるのをギリギリで堪える。
 マオはようやく唇を離すと、平らな胸に浮かぶ突起物をしばらく見つめて呟いた。

「……高ランクと低ランクなら失敗ねえだろ」
「はっ、あ、なに」

 おもむろにアイテムボックスを開くマオに、シスは何をするのかと怪訝な表情を浮かべる。
 そして、白い液体の入った瓶を取り出す様子を見て、即座に悪寒を走らせた。
 マオはシスのステータス画面を開き、宙で操作をしている。
 それは旅の中で幾度と目にした、合成スキルを発動させるための操作だ。
 戦慄くシスを見下ろしながら、マオはニヤリと笑う。

「結局ケツは勝手に濡れるようになったから必要なくなったけど……マザーゴートの乳と合成したら、どうなるんだろうなぁ」
「あ……そ、待っ」
「大丈夫。今の俺の合成スキル、ほぼマックスレベルだから」
「そういう問題じゃ――んんっ!?」

 シスは何とか腕を伸ばしてステータス画面を閉じようとした。しかし、それを阻むように腕を掴まれると、そのまま引き寄せられ、口付けが落ちる。

「ん、んぅっ」

 舌が絡まり、息を奪うように吸われ、翻弄される。
 頭上で「ピコンッ」と音が聞こえ、合成スキルが発動されたことを知った。
 口付けのせいか合成のせいか分からないが、シスの体は徐々に熱を持ち始める。

「はっ、あっ、ぅン、ふっ、んん」

 絡まった舌を伝って唾液が流し込まれる。
 苦しさに飲み込めば、尾骨がじん……と、疼き始めた。
 じわじわと広がる甘い痛みは、シスの尻穴に湿りを呼ぶ。

「もう濡れてるじゃねえか」
「ぁうっ」

 服の上から尻穴に指を突き立てられ、シスはみっともない声をあげる。マオの言う通り、体液を摂取したことで濡れた窪みは、止まることを知らず染みを作っていった。
 淫らな女性のように愛液を垂らす秘部に恥ずかしさを覚えるが、下衣を脱がされると遠慮なく突き立てられる指に、シスは我も忘れて腰をくねらせる。

「はーっ、あっ、ンあ!」
「後で喚かれそうだから先に言っとくけど、感度は天然だからな。俺のせいじゃねえぞ」

 言われなくても分かっている。シスは声に出さず答えた。
 淫らな声をあげる自分が、喘いでいるのか喘がされているのか分からないほど愚かではない。
 確かにこの感覚は自らの中にあるものだ。
 本心としては認めたくないが、現実で起こっていることを否定するほどシスは初心ではなかった。
 だが、悦び震えるこの感覚は、果たして快楽によるものだけなのか。相手がマオだからこそ感じているのか。
 そこまでを己に問う勇気はない。

「よしよし、予想通りおっぱい出てきたな」
「んんっんっ、あッ、あンッ! あっあっ、そ、んな……っ」

 前立腺を刺激され、臀部に与えられる快楽に夢中になっていたが、マオの声でシスは胸に感じる痛みに気付く。
 視線を向ければ、乳房が僅かだが膨らんでいた。


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(C)siwasu 2012.03.21


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