「やめてくれっ、我慢できないと言うのなら先に口でするし、身を清めてからいくらでも満足させてやるから!」 この際、強く望んでいた休息は諦めることができる。 シスにとっては、それほど今の体をマオに触られることが耐えられなかった。しかしマオが止まる様子はない。 「いいって、お前の臭い嫌いじゃねえし。むしろ酸っぱいのとか逆に興奮する」 「ひいっ、変態……ッ!」 青褪めるシスを見て、マオは余計に興奮したらしい。 欲を孕んだ瞳を向けられて、そういえばこの男はドSの変態だったことを思い出した。 髪の中に鼻を埋められて、逃げるように頭を反らすと、今度は首筋を舐めあげられる。既に汗や汚れで不快な皮膚に唾液が重ねられて、シスは嫌悪感を露わにした。 「い、いやだ、たのむ、湯浴みに行かせてくれ」 「熱出してた時はもっとぐちょぐちょだったんだから今更だろ。どうせ今から汚れるんだし、気にすんなよ」 「あの時はよく分からなかったから……気持ちの問題だっ」 頑なな態度にマオも苛立ちを感じ始めたようだ。 頬を引きつらせながら、馬鹿にするようにシスを見下す。 「ああ、つまり大好きな勇者サマに汚い体で犯されるのが恥ずかしいってことか」 「なぁっ!」 ほとんど図星だったシスは、マオの言葉に口を開けて赤面した。 大好きな勇者、というところには語弊があるが、確かに汚れた体を暴かれるのは恥ずかしさを感じる。 ただそれだけではなく、シスは今の自分の状態をマオに知られたくない理由があった。 「安心しろって。言っただろ、汚いお前に興奮するって。綺麗な顔して雄臭ぇところとか、やっぱ男なんだなって思うし」 「んぅっ」 抵抗を阻むように、マオが膨らみかけたシスの股間を布の上から撫でる。 マオは、男性器に躊躇なく触れている自分に内心驚きながらも、背筋を駆け上がる興奮に唇を舐めた。 「はは、最初はお前が女だったらって思ってたこともあるけど……今は男でも気にならねえわ。尻でけえし、体力あるし、孕む心配ねえし」 そう言って尻を掴むと強引に揉み開く。 熱を出している間にすっかり快楽をその身に叩きこまれたシスは、いじらしく腰をくねらせた。 「は、あっ、んぁ」 抵抗が弱まったのをいいことに、マオは片手を腹に当ててゆっくりと上半身を撫でていく。 そして指先が胸部に近付くと、平らなそこを見て言った。 「ただ胸はもうちょっとあっても――」 「あ、ま、待て……ッ」 マオの手のひらが胸を滑って、突起のある場所に触れた時だった。 「ひぐぅっっっ」 シスはビクリとベッドの上を飛び跳ねる。 「……は?」 過剰な反応と、布の上から感じる違和感。マオは、無言でシスのシャツを掴むと、一気に首まで引き上げた。 眼前に現れた光景に、思わず口を開く。 「……何、これ?」 シスの白い肌、その中に本来ならあるはずの桃色のいただきが、四角の布で覆われている。 確かめるように触れると、シスの腰は驚くほどに震えた。 「あっ、ん、あ、さ、さわ」 「何これって聞いてんだけど」 喘ぐだけで答えないシスに、指の腹を強く押し当てる。 シスは首を振りながらマオの腕を掴んだ。 「あ、あの日からっ、むず痒くて、擦れると辛い、からぁっ」 あの日、とはプラントーブに襲われた日のことを言ってるのだろう。確かに、触手によって腫れていた乳頭は、熱を出している間も真っ赤に熟れていた。 だが、まさかそれが治まっていなかったとは。 「それで乳首に布貼ってんの? 何それ、えっろ」 「あぁッ、やっ、んあ、ひっぱる、なぁ」 この世界では絆創膏やテープのような道具はない。 そのため、周りに軟膏を塗った布を当ててしのいでいたようだが、倒錯的な見た目は相手を煽るものでしかなかった。 「布の上からでも分かるぐらい勃起してるぞ」 「だめっ、引っ掻く……ンあっ」 押し潰すうちにぷっくりと膨らんできた乳頭は、布を押し上げて主張してくる。 それを爪で引っ掻くと、シスは淫らな声をあげて仰け反った。 「あっあっあっあんっ! ……ひっ、あぁッ、んんっ、あっ、あっあっ」 「まさか、すかした面の下でこんな格好してたとはなァ」 「あっ、んんンっ、ひンッ」 くに、くに、こりこりっ、こりっ、ぐに、かりかり、くりっ。 布の上から両乳首を弄られるたび、シスはびくびくと体を痙攣させる。ついには布を剥がされ、外気に晒された小さな果実は固くその実を勃ちあがらせた。 [ ←back|title|next→ ] >> index (C)siwasu 2012.03.21 |