07


「あっあっ……あぁっ! かゆっ、あ、かゆいぃッ」

 意識すると、突然胸が疼き出して、耐え難い刺激に襲われる。
 じんじんと痺れが走り、乳腺は痛みを伴う。突起の先にある閉じられた蕾はひくひくと収縮して、本来出ないはずのそこに熱が溜まってきた。
 咄嗟に掻きむしろうするシスだったが、マオの手に阻まれる。

「掻いたら傷になるじゃねえか」
「そ、そんな、こと言っても……ひっ、あっあっ、んあっ……む、ねぇっ、胸がっ、痒くて……っ」

 シスは、体をくねらせて逃れようとするが、熱はどんどん中心へと集まっていく。じわじわと与えられる刺激は、下腹部にすら悦びを与えた。
 マオは視線を胸に留めたまま言う。

「乳が溜まってきてるんだろうな……ほら、ちょっと濡れてる」

 見れば、乳頭の先からぷくりと白い水滴が飛び出していた。
 乳首を伝って線を引いていくそれは、また先から新たな粒を産み出す。そのたびに、シスはどうしようもない痒みを覚えて唇を噛み締めた。

「あーあー、こりゃ出さねえと炎症起こしそうだな」
「ひあっ、むりだっ、まお、たすけ……っ」

 指で弾かれ揺れる突起に、シスは懇願しながら涙の膜を張る。
 だがマオは意、地の悪い笑みを浮かべると、わざとらしく首を傾げた。

「どうやって?」
「っ、胸の疼きをっ、吸いだして、くれたらっ」

 男である自分が、胸を吸ってくれと浅ましく強請ることほど屈辱なことはない。
 だがそれ以上に、中途半端な昂ぶりから早く解放されたいと、シスは恥を忍んで吐き出すように言った。

「それもそそるけど、なぁんか上品なんだよなァ」
「あっ」

 マオがつまらなさそうに垂れた白濁に舌を這わせる。

「いやらしい僕のおっぱいを吸ってください、ぐらい言えねえの?」
「いやらしい僕のおっぱいをいっぱい吸ってくれっ!」

 マオの要求にシスは間髪入れず復唱した。
 まくし立てた言葉に、マオは不服そうな顔を見せる。

「……色気ねぇけど、まぁいいか。これから教えりゃいいんだし」
「はっ、まぉ、はやく……あつい……ッ」

 マオが焦らしていることは分かっていた。そんな彼をその気にさせるようにと、シスは熱い吐息に誘いを乗せる。
 それが琴線に触れたのか、マオはようやく口を大きく開けて魅惑的な胸にしゃぶりついた。

「あっあぁァぁんッッッ」
「ン、あっま」

 弾ける快感にシスは淫らな声をあげる。
 射精はしていないが達しているのか、足をぴんと張りつめて痙攣するシスに、マオは追い打ちをかけるよう突起を甘噛みした。

「ひぃっ、いっあぁぁっ! あっンアあッ」

 ちゅっちゅっ、ちろっ……じゅるッ、じゅるるるっ、ぴちゃ……じゅるッ、ちゅうちゅうっ。

 吸われるたびに、胸の中の熱が吐き出され、新たな快楽がこみあげる。乳頭を弄られるだけで小さな絶頂が生まれる。

「あっ、あっあっ、まお、ぉっ、んアッ」
「おっぱい気持ちいい?」
「いいっ、いっ、もっと吸ってく……あぁっ、アンッ」

 ぢゅるッぢゅるッ、こくっ、ごくごくっ、ぺろっ、レロレロッ、じゅうぅぅゥゥッ。

 マオの喉に嚥下する動きが感じられると、何故かシスは心が満たされた。男なのに母性のような愛しさが生まれて、ついマオの頭を抱きしめてしまう。
 その間も、母乳を全て絞り取られるように吸い上げられる。
 反対の乳房も同じように吸いだされて、マオが口を離す頃には、すっかり授乳に適した乳首の形へと変化していた。

「はっ、あっ、あ……僕の胸、が」
「ははっ、こりゃずっと当て布してないと擦れまくって歩けないかもな」

 そう言いながら尖った突起を指の腹でこねられると、また乳腺に熱が巡る。
 刺激を与えられるだけで母乳を垂らす胸を、信じられない気持ちで見つめていると、放置されていた臀部に指が滑り込んできた。

「ひぎっ」
「こっちもいっぱいミルク零れてるぞ」

 マオの言葉に合わせて、尻穴に突き立てられた二本の指が水音を立てながら内壁を抉る。シスは押し寄せる快楽に耐えきれず、マオの腰に足を絡ませた。

「あっあっ、んあッ、あっ、も、指はいいからぁっ」
「ちんこが欲しいって?」

 揶揄い気味に向けられた質問に、シスは首を何度も縦に振る。
 少しは恥じらうかと思っていただけに、躊躇いなく肯定されるとは思わなかった。マオが虚を突かれていると、潤んだ瞳が、吊り上がった目に光る烏羽色を捉えた。

「こ、んなっ、あっ、生殺しのような、快楽、ンッ、もっと、強い刺激が……ッ」
「シスってこういう時素直だよな。どうせなら『勇者サマのちんぽで僕のおまんこハメハメしてぇ』ってエロエロな感じでお願いされたいんだけど」
「もっ、言葉はどうでもいいから、早く挿れてくれ……っ」

 シスはそう言うなり、マオの下衣に足をかけ、下着ごと勢い良くずり下ろした。
 現れた逸物が天に向かってそそり立っていることを確認すると、それを手に取って自らの窪みに押し当てる。
 そして、孔に感じる熱に唾を飲み込んでいると、突如マオの腰が勢いよくシスに向かってうちつけられた。


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(C)siwasu 2012.03.21


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