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「ちょ、おいっ……ウ……ッ」

 びゅるるっ、びゅ〜〜っ、ぶぴゅっ。

 強烈な刺激のあとの余韻に浸りながら、二人は荒い呼吸を繰り返す。強引に射精させられたマオは、自分が主導権を握れなかったことに屈辱を感じていた。

「く、そ、お前――」

 未だ噛み切らんばかりの締めつけにマオが眉を寄せる。
 しかし当の本人は、小刻みに痙攣しながら虚ろな目を空に向けていた。視線を落とせば、股座には未だ張りつめた逸物が苦しそうに震えている。



 たららららん。



 無情にも、静かな闇の中でレベルアップの音が鳴り響いた。

 ドライオーガズムで達したシスの意識は、どうやら遠くへ飛びかけているようだ。頬を叩けば、ようやく濡れた視線がマオへと向けられる。
 シスはゆっくりと唇を開いた。

「……っ、あ」

 ぴろりんっ。

 しかし、突然それを遮るような音が、空気を読まず現れる。
 同時にシスの頭上でポップアップが表示され、マオは胡乱な表情で書かれた文字を読み上げた。

「《新規の遺伝子情報を確認しました。登録しますか?》――って、なんだこれ」

 シスは先ほどの音に聞き覚えがあった。記憶を手繰り寄せている間に、マオは続く文字を見て眉を寄せる。

「現在確認中は俺と……プラントーブ?」
「……あ」

 思い出した。
 プラントーブがシスの孔に分泌液を流し込んだ時にも流れた音だ。

「よく分かんねえけど、イエスに決まってんだろ。これは俺のだっつうの」

 おそらく表示されている選択ボタンを押したのだろう。
 頭上で伸びる指をぼんやり見ていると、ぴろろろんと音が鳴ってポップアップが消滅する。

「〜〜っ……い、嫌な予感がする」

 シスは、突如感じる悪寒に身を震わせた。
 何故かは分からないが、本能は自分の身に降りかかるこれからを察知しているようだ。
 消えたポップアップに満足したのか、マオは頷きながら笑みを浮かべると、地面に投げ出されたシスの足を掴む。

「それよりさぁ、もっかいしようぜ、もっかい。口もいいけど、やっぱ下の穴の方がヤってる感あるわ」

 そう言って自身の性器を抜き、シスを俯せに転がすと、尻を持ち上げて双丘を割り開く。酷使した窪みはまだ十分に柔らかく、半勃ちの逸物をすぐにその中へと受け入れた。

 ぐぽ、ぬぽぬぽ……ずりゅんッ!

「ひぐぅっ」
「オイコラ逃げんな」

 シスは、驚きのあまり足を動かして離れようとした。しかし、乱暴に腰を掴んだ手に引き寄せられる。
 また始まる抽挿と硬くなった逸物に体を揺さぶられながら、シスは首を捻って振り返った。

「んあっ、あっ、ま、魔物はどうしっ」
「あー、そうだったな。まだ中にいるからザーメン流し込んで溺死させてやるか」
「ほ、んとに……ッ」
「うるっせえなァ。お前はアンアン言ってる方が可愛げあんだから喋るなって」
「ひっ! あっ、あ、アアッ! んあ、あっあッアっ」

 ズチュッズチュッズチュッズチュッ、ごりゅんッ――パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ!

 怒張を容赦なく叩きつけられ、シスは痙攣しながら地面に爪を立てる。快楽に身を委ねた体は、いつの間にか強請るように自らも尻を揺らし始めていた。

「ああぁっ、ひあッ、んっ、アンッ、アッあっアァンッ」
「そうそう、そのままでけえ尻揺らしてろよー」
「き、さまぁッァン、ひっ、あ、あっ! そこぉ……っ」

 流石にいい加減な嘘まで見抜けないシスではない。

 ようやくマオの話が最初から最後まで偽りだと気付いた頃には、体内に三回も欲望を流し込まれ、怒る気力すら湧かなかった。
 挙句の果てには、動けなくなったシスの抵抗空しく「重いから運びたくない」とアイテムボックスの中に放り込まれてしまう。
 そして、念願のテントへと戻れはしたが、あまりにも酷い経緯で失ってしまった純潔に、シスは昇りかけた陽の光を見つめながらホロリと涙をこぼすのだった。


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(C)siwasu 2012.03.21


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