平凡受け[R15] 族モノコメディ。平凡(中身非凡)総受け気味。 【run wild】 風が気持ちよくて心地良い春。 ごくごく普通の一般家庭で育った平凡な俺、黒崎恵夢(くろさき えむ)はお日様とは無縁な夜の世界で不良様方に囲まれていた。なんでって?そりゃあ… 「おい豚野郎、飯買って来い」 「はい喜んで!」 俺はカラフルな髪の不良様方のパシリをしているからだ! 俺に命令した暗めの赤髪にサイドをコーンロウで編んでるこのお兄さんは「クレイジーM」という暴走族の副総長をしている赤木蓮(あかぎ れん)さん。通称赤さん。 17歳って聞いたけどいや、どう見ても25歳ぐらいにしか見えん。 「豚野郎、何買ってくるか分かってんだろーな」 「はい勿論!赤さんはトマト系のパスタで青さんはサラダうどん、緑さんはハンバーグ弁当で白さんは…」 そこで俺はチラリと白さんを見る。白さんは白石響(しらいし ひびき)さんと言ってチームの幹部だ。名前の通り真っ白な髪は腰まで伸ばしてて、サイドは刈り込んで前髪は後ろでお団子にしている。 なんか髪型だけ見れば昭和のヤンキーって感じなんだけど、顔が整っててもの凄い美人! ただいつも無表情だから何考えてんのかよく分からないんだよなー。 「俺いらない」 「白、お前また何も食わねー気か。いつか死ぬぞ」 「いいもん。…その時は恵夢と心中しようかな」 前言撤回!この人はただのヤンデレ! 「駄目っすよ!そん時は誰が俺達のメシ買って来るんすか!」 「わっ、緑さん!」 後ろからいきなり俺に飛びついてきたのは緑さんこと緑川翼(みどりかわ つばさ)さん。同じくチームの幹部で、明るく元気なムードメーカー役だ。 黄緑色から深緑色まで色んな緑色のエクステがついた髪をギャル男のように盛っている。 俺と同じ16歳だからよくこうやってじゃれてくることが多かったりする。 「緑、調子に乗るな」 「ぐえ」 「青さん…」 「お前も何をしている、さっさと買って来い」 緑さんを引き剥がしてくれたのは青さんこと青山巧(あおやま たくみ)さん。この人も幹部で短い黒髪の右半分に青のメッシュが入ってるのが特徴だ。 青い部分さえなかったら見た目はただの真面目な人って感じ。背がチームの中でも一番高くて俺は勝手に心の中でお兄ちゃんと呼んでいる。 …まぁ勝手にそう呼んでるだけで向こうはいつも冷たい視線を向けてくるんだけどね。でもその視線が堪らないです、お兄様! 「あの、金さんと銀さんは…」 「あ?金銀コンビなら狩りに行くってさっき出てったぞ」 (何 で す と !?) 「お、俺探して来ます!」 「おい」 「いっ!痛っ」 痛い痛い痛い! 飛び出そうとする俺の髪を赤さんが思いっきり引っ張ってくる。痛いけど気持ち良い! 「俺等の飯、忘れんじゃねーぞ豚野郎」 赤さんの冷たく見下ろすその目に俺はゾクリと背筋が震えた。 …あ、勃ったかも。 「は、はいっ」 俺は何とか欲情を抑え込んで頷くと、溜まり場のバーから繁華街の方へ走っていった。途中マスターの斑(まだら)さんがくれた護身用の警棒を持って。 うん、この辺り危ないもんね! ◆ さてさて、平凡な俺が何でこんなカラフルな不良様方に囲まれて大人しくパシリをしているのかというと、さっきの様子を見て分かる通り俺が変態のドM野郎だからだ。 不良のお兄さん方に痛めつけられたり罵倒して欲しいが為にわざわざ進んでパシリをしている。 あー帰ったら赤さんの靴、舐めさせてくれないかなぁ…っと。 「金さん銀さん!」 「あ、黒ちゃーん」 「え、何々黒ちゃん!?」 俺は路地裏で見つけた金と銀の猿のお面を頭につけた二人組を発見。いや、チームシンボルだとしても本当目立つなそれ。 俺のいるクレイジーMの総長はクレイジーモンキーと呼ばれていて、その人を元に作ったチームだからちょっとキチガイな顔したお猿さんがチームのシンボルになっている。 どこにつけててもいいから大体皆は服に刺繍やプリントを入れてるんだけど、この二人の場合お面って訳。目立つ分絡まれやすくなるが、この二人はそれを狙っているのだろう。 「金さんも銀さんも何やってんですか!うちのチームはカツアゲも親父狩りも禁止でしょう!?」 「だぁーってお金ないんだもん」 「そーそー、週末用のガソリン代をちょぉーっと貸して貰おうとしただけー」 そうケラケラ笑うこの二人は金さんこと金海光(かなうみ ひかる)さんと銀さんこと銀野満(ぎんの みつる)さん。さっき紹介した3人と同じくチームの幹部だ。 二人とも同じ茶金色の髪色なんだけど、もみ上げ部分に胸までの長さがある三つ編みのエクステをしていて、金のエクステが金さんで銀のエクステが銀さん。うん、このチームは本当覚えやすくて助かる。 そしてこの二人はチームの中でも一番手綱を取るのが大変なマッドコンビとして有名な問題児だ。 見た所いたいけな塾帰りの中学生をカツアゲしていたらしい。けしからん。 とりあえず中学生を帰してあげると、後ろからブーイングする二人が近寄ってきた。うん、嫌な予感がするぞ。 「ちょっとどうすんの、俺ら週末走れねーじゃん」 「黒ちゃん貸してくれるー?」 「え、嫌ですよ。俺金ないんですから」 今からの買い出し分だけでも大変だってのに返ってくる筈のない金を貸す訳ないだろ。 「っい、た…っ!」 「えー困っちゃうなぁ〜」 「どうする金ちゃーん?」 やっぱり嫌な予感的中! 壁に両腕を押さえつけられた俺は二人に囲まれてしまった。 「とりあえずこうしちゃおっか」 「いだだだだだ!や、やめっ、き、気持ち良いけど本当ヤメテ!!!」 「さっすがドMサンは違うなぁ〜」 金さんが俺の首に噛み付いて来たんだけど手加減無さ過ぎて血が出てる気がする!いや気持ち良いんですけども!! 「んっ」 「黒ちゃんの血ってあ〜まいなぁ」 やっぱり血が出てるんですね! 金さんはそう言いながら噛み跡から出てるであろう俺の血を舐めとるとシャツに手を入れてきた。 そして銀さんは横から俺の勃ちかけの下半身に手を伸ばし…って確かにMだけど男に掘られる趣味は無い!! 「お、俺買い出しがあるんで…ってんぅー!んー!!」 「そうそう銀ちゃん。煩いお口はチャックだね〜」 「ふむんんむー!!!(なにしてんだー!!!)」 くそう、この二人のSっぷりは大変魅力的だが如何せん俺のケツを狙う為毎回貞操の心配をしなければならない。こうなったら… 「痛っ…噛んだね」 「あ、赤さんに言いつけますよ…!」 ピタ。 その瞬間二人の動作が止まった。 「…やっだな〜、冗談じゃん♪」 「そうそう、軽いじょーくっ!」 嘘つけ。 この二人は何故か赤さんには弱い為、こういう時は名前を出すのが一番だと緑さんから教わっている。 とりあえず今日も俺のケツは助かった…。 俺はホッと一息ついてニヤニヤする二人に溜まり場へ戻るよう言ってから、買い出しに戻ろうと路地裏から大通りに飛び出したのだが。 「っわ、っと!」 「いってーな、何すんだよ」 今日は厄日なんだろうか? 目の前にはこれまたカラフルな怖いお兄さん方。目が星マークの猫の刺繍が胸についている所を見るとあの喧嘩っ早い「スターキャッツ」の方々でしょうか。わお。 「おい、兄ちゃん何してくれんだ」 「い、いや、今のは不可抗りょ…くっ」 わーやめてよ!俺165cmしかなんだからお兄さんみたいな背の高い人に胸倉捕まれると宙に浮いちゃうんだってば! 「おい、そいつのシャツから猿見えねーか?」 「あ?お前もしかしてクレイジーMの奴か?はっ!こんな奴でもシンボル持ちとか大したことねーチームだなっ…と!!」 「あっぐ!」 ジャケットの下からチラリと見えた、Tシャツの背中にプリントされたシンボルに気付いたらしい。 俺は宙に浮いたまま顔を殴られて無様に吹っ飛ぶ。うぅ、痛い。…でも気持ち良い。 「あうっ」 「はっ!クレイジーモンキーもこんな奴入れてどうすんだ?パシリ用か?」 ええ、その通りでございますとも! 俺は蹴りつけるお兄さん方に勃ち上がるアレがバレないよう体を丸めたが、その時丁度金さんと銀さんが路地裏から姿を現した。 二人とも、今いい所だから邪魔しちゃ駄目だよ!駄目だからね! 「…ねーねー、金ちゃん」 「んー?なんだい、銀ちゃん」 「黒ちゃんがスターキャッツに苛められてるよぉ?」 「あんなに喜んじゃって本当、変態さんだねぇ」 何だ、その含み笑いは。 お兄さん方は二人の姿を見つけるなり案の定顔を青ざめながら蹴るのを中断した。 く、くそう。チームでは殴ったり蹴ったりしてくれないから久々の暴力に興奮してたのに…! 「ま、マッドコンビ…!」 「おい、やばくねーか?」 よし、いいか?二人ともさっさとどっかに行ってくれ。俺は今からお兄さん方とランデブーと言う名のリンチの続きを行う予定なんだ。 と、目で訴えてみたらどうやら届いたらしい。 「どーする〜?」 「でもねぇ、副総長に怒られちゃうしぃ?」 二人は悩んだ(フリをした。うん、絶対フリだ)後俺を見てにんまりと笑う。 あ、あれは何か企んでる時の顔だな。 「ねぇねぇ黒ちゃん、腕、血がついてるよぉ?」 「…その手には乗りません」 銀さんの意地悪。俺は血を見るのが大の苦手なの知ってる癖に。 「あ、と思ったら赤茶羽ゴキブリだった!うひゃっ!」 「えぇっ!マジでっ!?」 ゴキブリ!嫌い!!! 俺は焦って振り払うべく腕を見て…。 「やば…血、出てる…」 俺、本当に血が苦手なのに。 …スイッチ入って興奮しちゃうから。 「…ねぇねぇ黒ちゃん、あのオニイサン達に頼んだらもぉーっと痛いことしてくれるよぉ?」 「うんうん、殴ってくれるよぉ?」 「…マジですか?」 それは是非とも実行して頂かねば! 俺はすぐさま起き上がるとお兄さん方に近寄った。ん?何で後ずさるんだ? 「お兄さん、何で逃げるんですか?」 「ひっ」 「ねぇ、殴ってくださいよ。さっきまでいっぱい蹴ってたじゃないですか。俺、どっちかって言うと蹴られるよりは殴られる方がだーい好きなんです」 ところが予想に反してさっきまでの威勢はどこにいったのか、お兄さん方は顔を歪ませて俺の下半身を指差し…あ。 ビンビンに勃っちゃってるからか。 「あ、気持ち悪いですよね。ごめんなさい、お詫びに殴っていいですから。ほら、」 「ひぃっ」 「…だから何で逃げるんですか。ほら、殴ってください、…よっ!」 「あぐ…っ!」 あーあ。あんまり焦らすから俺の方が殴っちゃったじゃん。 あ、そうだ。 「…いいこと思いついた。俺さ、今からお兄さん方のこと一発ずつ殴っていきますね?そしたらお兄さん怒るでしょ?だから俺のこと十発ぐらい殴り返してください。十倍返しってヤツ?何なら股間を思いっきり踏みながら豚野郎と罵ってくれたら尚良し!!」 「ひっ」 「逃げんな!!」 俺は慌てて立ち去ろうとする奴らに手近なゴミ箱を投げて転ばせる。 逃げちゃいかんよ、逃げちゃ。 「んー、そこのゴミ箱から、そこの電柱と、あの壁と、ここまでがリングね」 「り、リング…?」 お兄さん方ったら何をびびってるんだろう。 俺なんか何も怖くないただのドMな平凡ですよー? 「ほら、金さん銀さん見てるだけなら逃げないように手伝ってくださいよ」 そう言って俺は二人に振り返った。 傍観してるぐらいなら二人にも手伝ってもらおう。こういう時だけ素直に言うこと聞いてくれるし。 「はーい♪」 「黒ちゃん、良かったらジャケット預かるよ?」 「あ、ありがとうございます」 ほら、優しい。 本当は裸の方が殴られた時肉が食い込む感覚が気持ち良いんだけど、Tシャツ一枚ぐらいならまぁいいか。 そう思いながら後ろの二人にジャケットを渡すと、後ろでお兄さん方がざわりと騒ぎだした。 「そ、そのTシャツのシンボル…猿の頭に輪っか…まさか…」 うんうん、実は俺のシンボルは黒いTシャツに赤白青緑金銀のカラフルな色で描かれたクレイジーなお猿さん。結構可愛くてお気に入りだ。 ただ一つ可愛くないのはこのお猿さんについてるワンポイントなんだよなぁ。 「ノーノー!オニイサンこれ、輪っかじゃないよぉ?」 「これは緊箍児(きんこじ)って言ってぇ」 「「暴れん坊のクレイジーモンキーがつけてるの!」」 うし、やっぱりまだTシャツ一枚は肌寒いが仕方ない。 体温が増せば肉も柔らかくなって殴られた時のえぐるような痛みったらもう、あぁ…想像するだけでイけそう。 「お兄さん方お待たせです!いっぱいいっぱい殴ってくださいね?」 俺は興奮止まぬまま思わず笑みを浮かべてしまった。それが気持ち悪かったのかまた後ずさるお兄さん方。失礼な。 あぁ、でもこれから訪れる痛みと苦痛…! これだからパシリはやめられない! ◆ 「って感じでぇ、総長が全員やっつけちゃいましたぁ!」 「いやぁ、あれはMっていうよりSだよぉエ、ス!気絶してるオニイサンの頭を電柱に思っきりガンガンッて〜」 「もぉ苛めてくれないからってキレちゃった総長止めるの大変だったんだからぁ〜!」 良し、俺は自分の置かれている状況を整理しよう。後ろに幹部5人衆。そして土下座してる俺。ちょっと勃ちかけてるとか内緒だ。 そして前にはソファーに体を預けながら俺を見下ろす赤さん…!堪りません!堪りませんその構図!ちょっと靴舐めていいです…。 「おい、黒」 「は、はひっ!?」 「人の靴を物欲しそうに見るな、変態野郎」 「っっっっっ」 きたぁー!!!きた、きたよコレ!! あ、ちょっと先走り汁が出ちゃったかも…。 「それにしてもやっぱ20年前世間の話題を攫ったヘビー級チャンピオン『クレイジーコング』の息子の名は伊達じゃないっすね!」 「試合の動画見たことがあるけどあのスイッチ入った時とかそっくり」 「血は争えんな」 「緑さんも白さんも青さんも…。親父、もう引退してるし試合なんか見たことないから関係ないですよ…」 どうやら周囲曰く親父は俺が生まれる前有名なボクサーだったらしいが、今は引退して小さな喫茶店を経営している。 正直あののんびりした親父がボクサーやってたとか信じられないし。 「それで?そのご大層な総長さんは最初大人しくスターキャッツにされるがままだったと?」 「え、えっと…」 「どうなんだ?豚のように転げ回ってたのか?」 「は、はいっ!」 「嬉しそうに返事するな、万年発情野郎」 「ぃあ…っ!」 赤さーん!股間、股間踏まないで! イっちゃう!イっちゃうから!! 「はぁ…。こいつのこういう所がなきゃもっといいチームになれたんだが…」 「他所は俺等のこと変態チームって呼んでるしね。間違ってないけど」 「チームの奴等はまだ総長のM部分見てないからいいっすけど…」 「血で興奮するドS総長って勘違いしてくれてるのが救いだな」 上から赤さん、白さん、緑さん、青さん。 ってちょっと待って!ドMの称号を飾る俺としてはドS総長ってのは気に食わん!今すぐ皆様に訂正を…。 「何勝手に動いてんだ。誰が立っていいっつった?あ?」 「んぁっあ、んぅ!」 だ、だから股間を弄らないでってばっ。赤さんあなた女王様の素質あるよ!だから是非性転換して俺の御主人様になってください…! 「で、買い出しはどうしたんだよ?」 「そっ、れは!あぅっ、ご、ごめんなさ…っ」 「おい、てめぇは犬でも出来るようなお使い一つ出来ねぇのか?あ?」 「あ、んっ、ゆ、許して、ください…っ」 「なら犬みたいに尻尾振ってごまかしてみろよ、なぁ?」 「わっ、わん…っ!」 「…はっ」 赤さんその嘲笑マジで最高です。よし、今日の殿堂入りはこれに決めた。 でももう限界なのでそろそろこの足の力を是非強めては頂けないでしょうか! 「あ、赤さんっ、ん、ぅん!あ…あっ」 「おい、ここでイく気か総長?」 「ひぁっ!」 も、もう駄目だ。土下座に足コキに衆人環視。 …イイ。後ろからの鋭い視線とかたまらなく気持ち良いだろけしからんもっとしてくれ!違うそうじゃなかった早くイかせてくれ!! 「あ、赤さんっ!赤さ…っ」 「ほら、御主人様って言えたらイかせてやる」 「っ!や、やだっ」 残念だがそれだけはお断りだぜ赤さん。 俺が御主人様と呼ぶ人は人生で一人だけと決めている!そして予定では五つ年上の髪の長いお姉様だと決まってるんだ!! 「ちっ。相変わらずそこだけは強情だなテメェは」 「あ、赤さぁ、っん、あ、あ、もっ、イ、イきた…っ」 「…頼むならそれなりの態度ってもんがあるだろ、豚野郎」 あぁ。赤さんが女だったら俺は是非とも奴隷志願してるのに…勿体無い。 だがしかし今の所御主人様がいない俺としては赤さんやチームの皆ぐらいしか相手してくれる人がいない訳でして。 「…おっ、お願い、しますっ!こ、この卑しい犬を、イ、かせ…も、響…っ」 「…ったく、ちゃっかり名前で呼びやがって。…おら、イけよ。全員が見てる前でな」 「あぁ…っ!ひぁ、イ、イっちゃっ、みんな、見てっる、あ…っんぅ、ん!」 ああ…また今日も今日とてズボンに染みを作ってしまった。何度目だ。 「にゃはー!相変わらずイき顔可愛いよねぇ、黒ちゃん」 「はい、ご褒美のちゅー!」 「ぅん、んっ…ふ」 ぐったりとしている俺に金さんと銀さんは代わる代わるキスをしてくる。 出来ればこういうのは女性としたいんだけど。そう思いつつも疲れた俺は拒絶するのも面倒でされるがままになっていた。 「総長」 「ぁ、い」 「…着替えて来てくれ。臭くて堪らん」 「は、い…」 俺は青さんからジャージを受け取ってフラフラになりながら何とか立ち上がる。おお青さん、その軽蔑しきった顔とても良いですよ! 「…俺、ついてく」 「いや、白さん大丈…」 「着替え、見ててあげるよ」 「是非ともお願いしますっっ!!」 そんな感じで平凡な俺は毎日不良様方に総長兼パシリという名の元、素晴らしいドMライフを作って頂いている。 なんて素敵な日常なんだ!不良万歳! ◆その後。 銀「サマになってきてるねぇ、赤サン?」 金「ほぉんと!もしかしてさっきの素?ねぇ素なのぉ?」 赤「…話し掛けるな。今自己嫌悪中だ」 緑「なんか総長のドM癖、最近余計酷くなってる気がしません?」 青「誰だ、徐々に性癖を修正していこうなんて言ってたのは」 赤「おい、俺は今自己嫌悪中だと言っているだろーが」 金「ねぇねぇ、赤サン!今度1日だけでいーから『副総長もとい総長の御主人様(仮)』役、やーらーせーてぇー?」 銀「あ、ズルイ!俺も俺もーっ!」 赤「…お前等の場合確実に最後までヤっちまう気だろ」 金「えー?ちょぉっとヒーヒー言わせるだけだよぉ?」 銀「そうそう、黒ちゃんのお尻に俺達のをぶち込んでぇ」 金銀「「ねぇー?」」 赤「…絶対ヤらせねーからな。お前等にヤらせるぐらいなら一層…ブツブツ」 緑「…総長の性癖、治りそうにないっすね」 青「まぁドMモードの総長見て平常心を保てる奴がいたら崇めたいレベルの破壊力だからな」 緑「…ですね」 end. >> index (C)siwasu 2012.03.21 |