カツドンが俺の気持ちに応えて
次々進化してくれる

そうしてる内、
俺も強くなるために
デッキを何度も改良していく

その時、俺はキューブリックの
カードを手に取った


「(今のデッキには入れられねぇな)」


ただのカードを選別するように
そう思い捨てて、ストレージへと入れ、

デッキ改良を続ける。


すると、カツドンがそれを見ていたのか、ふと声を漏らした


「勝太、ワイもそうやけど
皆一人一人、心があるんやで」

「なんだよ突然」

「直ぐにわかるわ」


少し伏せ目に、ストレージを見ながら言ったカツドンの意図が判らなくて、(なんのことだよ)っと
バツが悪い気持ちになった


そうして、その日眠りに付いてから
直ぐに違和感に気付く。

一向にキューブリックが
俺の夢を出ることがなくなってしまった。

いつもは夢の中で
嬉しそうに俺を迎えて
抱き締めてくれたキューブリック


『勝太』


大きな手は俺の頭をやんわり撫でて
『今日もお疲れ』っと
暖かい温もりの中でそう囁いて
それが俺の何よりの楽しみで

そんな毎日心地よい夢が
ぱったりと夢に出なくなんて


やっとカツドンが言ってたこと
理解してから、自分に腹立たしくなった



「ごめんな、キューブリック…」


自分勝手なんだろうけど
朝、彼をストレージから出してやると
いつもと変わらない
カッコイイポーズで
笑ってるこいつ

でも何故か、まるで水にでも濡れたようにしわくちゃになっていて


「ごめん…、ごめん…」


まるで泣いていたかのような
そのカードを握りながら、俺は呟く


なんてことしちまったんだよ俺は…。

お前のおかげでここまで来たのに。

いつも挫けてる時は
夢で励ましてくれたのに

いつだって支えてくれてたのに


震える手で彼のカードを胸に押しやる。
勿論、今はまだ声は聞こえないけど
俺は語りかける


「やっぱりお前がいないと調子出ねーよ……」


だからお願い

もう一度、夢の中で会いたいよ






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