「うん、でー…、はい。」


楽屋の鏡を前、僕は会場に関してのお話をしてる。オサムさんに任せるとオーケストラみたいな場所にしちゃうからね



「じゃ、それで。もしなんか起きたら許さないよ?」



そう最後言い残して電話を切る。
そしてやっと鏡と向き合ってから、スタイリストが僕の髪をいじっているのに気付いた。



「あー!いいよ、僕の髪はスタイリングしなくて!」

「えっ、でも」

「いいから!」



僕は慌ててそれを止めて、
髪をぐしゃぐしゃにする。



「もう用ないから!出てって!」



不思議そうにそれを見ていたスタイリストさんを僕は楽屋から追い出そうとする すると、それと重なるようにラオウが楽屋に歩み寄ってきた。



「あ!久保、お前!髪まだセットしてねぇのかオラ!」

「うん、そうなんだ…。ラオウお願いしていい?」

「ったく!仕方ねぇな!」



痛いとこあったら言えよ、と
僕を座らせて、今度はラオウが僕の髪をスタイリング。



「へへ…」

「なんだよ」

「別に?」



僕の髪をいじるのはラオウだけで充分、なの。






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