「達也ー…」

「わっ!?」


やっと商店街を戻り歩き
達也のとこに戻ってきた俺はへたり込んだ


「どうしたの?、というか何処行ってたの?」


本屋の中で教本を片手に
俺に顔を向ける達也に擦り寄った


「んー、ちょっとね…」

「そう?でもあんまり遠くに行っちゃ駄目だよ」

「そんな子供じゃないんだし…」



マトリクスは他の人に比べて綺麗だから、直ぐ目立っちゃうからさっと、擦り寄る俺を撫でながら教本を見直す達也ににへーっと顔が緩む


「それって褒めてるよな?」

「少しだけね」


次には達也にグイーッと引き剥がされて、達也が歩き出す。

俺はそれに少し口を尖らせながらも、後ろを付いていけばまた、オレンジ色と黒のオンパレードな商店街


「なあ、達也は仮装しないの?」

「えっ…!?うー…ん、」


きゃっきゃっと笑い
掛けていく子供たちをすり抜け
歩いていく中、ふと俺は思ったことを達也の背に聞いてみる

すると彼は少し戸惑いながら
恥ずかしそうに小さく笑った



「ちょっと…恥ずかしいかなって…」

「ふーん……」



達也は他の子供に比べて
とても大人びいた子だ

キューブリックのとこの勝太や
ローズのとこのヨーデル
ルーパスとこのぶっちゃけ

あそこの三人は小学生らしい
無邪気で遊び惚けたり、破天荒にあっちへこっちへ矢印グルグル

見てるこっちまで
面白くて笑ってしまう時だってある


それに比べれば
達也は頭脳派で、感情で暴れるということは見たことない


まあ、本人曰く
前より結構崩れた方らしいけど。


「じゃあさ、達也」

「ん?」



俺は確かにそんな達也も好きさ


でもな、好きだからこそ
好きな人には様々なことを
楽しんでもらいたい

俺はそんなお前が見てみたいんだ



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