一方こちら斎希と雪織。
座標の場は、雪山の奥深くだった。
斎「さ、寒いわね。雪織君は平気なの?」
雪「んー。俺雪鬼だから平気だよー」
斎「へぇ、雪鬼だったの。さて、氷織君は…」
?「あっ雪織!!」
噂をすればなんとやら。
雪織の弟、氷織がこちらへ走ってきた。
氷「雪織…良かった。心配したんだぞ!」
雪「ごめんね、氷織」
斎(とりあえず、会えて良かったわね)
氷織は雪織に少し説教をぶってから、斎希に向き直った。
氷「あの、ありがとうございました。雪織が色々世話になって」
斎「大丈夫。雪織君、もう迷子にならないようにね」
雪「うん。ありがとー!」
氷「ほら、帰るぞ雪織」
雪「そうだねぇ。あ、あと氷織、着物」
二人の仲睦まじい様子を見守りながら、斎希は氷織が着物をはだけさせているのを見て寒気が増したとか。
刹「ありがとうございました。おかげで無事に送り届けられました」
?「それはなによりでございます」
刹「しかし、今回は急でやむを得なかったとは言え、無理をさせてしまいましたね。たったあれだけの情報で名と種族と出身、故郷。さらには弟の現在地を割り出せとは…」
?「あなた様が詫びることではありますまい。あの程度、四半刻あれば十二分でございました」
刹「心強い限りです。これからもよろしくお願いいたします」
?「…こちらこそ、我らが主よ」
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