何奴

七隊たちは戸惑っていた。

十「えーっ…とー…」

捺「………(困惑)」


燿「とりあえず詳細言おうか」

七隊たちが任務から戻ったとき。

見知らぬ和服の角の生えた青年がいたのだ。

?「んー?えーと…道に迷っちゃって、帰ろうとしたらここにいたんですよねぇ…」

どうも記憶があいまいらしい。

双「ま、迷ったって…どどどどうやってここに!?」

神「…なにをしたらここに辿り着く」

斎「それより、家族はいるのかしら?」

七隊はそれぞれ好き放題言い、角の青年は?といった顔である。

そのとき、専用の執務室から刹那がコンピューターを起動しながら出てきた。

刹「雪織君。お電話ですよ」

刹「でんわ?」

捺「…せおり…?」

神「…お前の名か」

雪織は首をかしげながら刹那に近付く。が。

雪「えーと…どうすればいいのかなぁ…」

刹「これはですね、ここをこうすれば…」

刹那がさらりと手を貸した途端。

?「雪織ィィィイィィィィィィィ!!!!

とてつもない怒号が、その場を震わせた。

雪織の弟、氷織が画面に映し出された。

七隊一同が飛び上がって耳を塞いでいる中で、一番近くにいた雪織は顔色1つ変えずに、

雪「あれー?氷織?どこで話してるの?すごいねぇ、これ」

などとのんびり応答している。

氷「お前俺がどんだけ探したと思ってるんだよ!!今どこだ!」

雪「んーとねぇ、ここは…どこかなぁ?」

氷「はぁ!?」

雪「あー、氷織また着物着崩してる。ちゃんと着なきゃだめだよ」

氷「そんなの今どうでもいいだろ!」

雪「どうでもよくないよー。大事だよ?」

…どうも話が噛み合っていない。

見かねた刹那がす、と雪織を押しやり、氷織に話しかけた。

刹「氷織君、といいましたね。お兄様は私たちが責任を持ってお送りします。どうぞご安心ください。数分ほどそこでお待ちくださいね」

氷「え、あ…ちょ」

ピッ

七(あ、切った)

刹「さて、彼を送り届けなくては。付き添いは…」

と、七隊を見回す刹那に十六夜が慌てて口を挟んだ。

十「ちょ、ちょっと待った。あの子になにも聞かずに切って…あの子が今どこの世界のどこにいるのか座標もなにもわからないじゃん。これじゃ送り届けようが…」

刹「ご心配なく。ちゃんとわかっていますから」

十「え」

刹那はにっこりと十六夜に笑いかけると、斎希に向かって言った。

刹「斎希、雪織の付き添いをお願いできますか?」

斎「…私が?構わないけれど…どうして?」

刹「あなたが一番安心できますので。十六夜は炎で不安ですし、双葉は夕食の支度がありますし、燿は向こうでなにをするかわかりませんし(うぐっ…)、神流は何を言うかわかりませんし(…チッ)、捺波は傷に障るかもしれませんので」

斎「わ、わかったわ。じゃあ座標を…」

刹「あなたの端末に転送しておきました」

斎「ありがとう。じゃあ雪織君、行きましょう」

雪「んー?」

斎「あなたの故郷に帰してあげる」

雪「本当?帰れるの?」

斎「ええ、すぐに」

雪「ありがとー!」ニパーッ

斎希が自分の端末に座標を入力すると、二人の身体がふっと消えた。

十「はー!良かった。なんだったのかなあの子」

双「無事に弟さんと会えるといいけど…」

燿「ま、斎希だし大丈夫っしょ」

神「…やれやれ」

捺「…雪鬼…初めて」

十「え、捺波知ってんの?」

捺「…」コクッ

燿「てか妖怪だったのか、あのふわふわ」

捺「…」キラキラ

双「捺波ちゃん、よっぽど嬉しかったんだね」

捺「…雪鬼…会ってみたかったから…」キラキラ

刹「ふふふ。さ、双葉。夕食をお願いできますか?」

双「あ、うん!待ってて!」

パタパタと駆けていく後ろ姿を見ながら燿が呟いた。

燿「可愛いなあ…良い嫁になるよ。やらないけど」

十「あんた双葉の何ポジよ」

燿「ガーディアン」キッパリ

神「…ありがた迷惑この上ないな」

捺「…」にこ



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