2.
友達と喧嘩したわけではない。
元々、友達と呼んでいる人は、友達と呼ぶ度にひどい違和感があって、時折不満をぶつけられた時には「やっと嫌ってもらえたのか」とその度に内心手を叩いて喜んでは、直る仲と心なしか近づいた距離にうんざりしている。
先生に不公平な扱いを受けたわけではない。
元々、先生は不公平だし、大人も子供もみんな理不尽だ。
自殺願望がある。
……それはどうだろう。
思わず鼻で笑ってしまった。いけない。これだといじめられる。
この癖は直そうと心に誓いながら、もう一度並べたものについて考えてみた。
自殺願望だなんて。
ざっくりし過ぎて設定が弱すぎる理由は、たとえばの話それが上手くいって、それでも他人に露見した時に勝手な憶測をくっつけられてしまったら、腹立たしくならないだろうか。
だったらこれも棄却するしかない。
落胆しながら吐く息が、思っていた以上に長く続いた。
放課後独特の色鮮やかな騒音にやわらかく包まれて、すこしだけ気持ちが軽くなる。
元々、希薄なのだ。
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