林檎


空は何度も
青と黒を繰り返し
小さな罪を抱えた人達を
追い込んでゆく

今地に落ちた
あの人も例に漏れず
その手の内の約束を携え
消え失せたのに

人はいくつ
どれ程の
約束を交わし続けるのか
教える代わりに
かじりつくした
約束をどうか
ほら また見せつけて


回り回る果実の傷
裏切りの味が顎を伝う度
その目に潤いを与えて
人は何度も堕落してゆく

回り回る果実の傷
跡形もなくなった元の姿
その実に賭けられた想いは
腐るのだろうか実らないまま

回り回る果実の傷
裏切りの味が顎を伝う度
その目に潤いを与えて
人は何度も堕落してゆく



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