ルシッドプラットフォーム


色とりどりの瓶の列
背丈も幅も違うけれど
その中にひとつきり
透けた細工が佇んでいて

あれはなんだと伸びる手が
冷えた肌と輪郭をなぞる
幾数十回のお遊びは
その度に相手は変わっていた

おねがい
いつか目にした
鮮やかで中身が見えない同族が
背負っていた
武器を握らせて



踏みしだけ心
護る自分はもう要らない
濡れた手の平に
鉄を絡ませて
逝けばいい

撃ち落とせ手の平
包む温もりは愛ではなく
一瞬の気の迷いと
強い悪意だと
思い知れ




放られた金貨が数枚
それが最後の落とし値で
落札した紳士の目は
何故か色を失っていた

色とりどりのひとの群れ
背丈も幅も違うけれど
その中にひとりきり
佇んでいるかのように

おねがい
いつか手放した
透けきった体を隠す装飾で
私を埋め尽くし
この傷をごまかして



踏みしだけ心
護る自分はもう要らない
濡れた手の平に
鉄を絡ませて
逝けばいい

撃ち落とせ手の平
包む温もりは愛ではなく
一瞬の気の迷いと
強い憎悪だと
思い知れ

踏みしだけ心
砕けることなど恐れず
立ち尽くす背を
抱くことはせず
盾となれ

踏みしだけ心
枯れても艶めきつづけ
あげた悲鳴を
引き金に込めて
地に落とせ


そしてただ
独り露を床に落として
嗚呼、落としてしまえばいい




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