ゲシュタルト
黒い部屋に
ホルマリン漬けしたように
貴女と過ごした日々は
今じゃ濁った記憶の液体に
邪魔されてる
ねえ知ってる?
貴女の瞳の奥底に
見えている綺麗な世界は
僕にはドブ川の底の缶の
中身に見えてる
太陽も月さえも
僕や大地に標をくれない
暗闇の朝に浸る世界に
君はどうして変わらず微笑むの?
赤い赤い空に
口づける雲の行方を
風に髪を撫でさせて
澄んだ眼差しに刻みこむ
青い青い空を
飾り立てる木々の色を
深く褪せた僕の心に
貴女は馴染ませる その声で
赤い赤い空に
口づける貴女の唇に
変わらぬ答えを求め
僕は吐き出すんだ 掠れた声を吐息で
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