或る終わり
真夜中誰もが
寝静まった頃に
今を知らせる針が
か細く一秒を終えた
息も絶え絶えな
指針の遅れは
寝ぼけて開いた猫の
眼(まなこ)にすらも映されず
尽きた燃料をかき集めて
震える針は
誤りの時刻を恥じるように
静寂の部屋に一つ
乱れたリズムで物を言った
只今午後１１時５９分
時に追われる時計よ
２２秒で止まる秒針
もう焦るな君はよくやったさ
只今本当は午前４時
あと少しで空は白む
２２秒で止まる秒針
時が合わさる音は未だに鳴らない
責める者も
急かす者もいない
それがどれほど
孤独でも
君は止まる
時の重みを
圧縮させて
只今午後１１時５９分
時に追われる時計よ
２２秒で止まる秒針
もう焦るな君はよくやったさ
只今本当は午前４時
あと少しで空は白む
２２秒で止まる秒針
時が合わさる音は未だに鳴らない
只今午前０時００分
カチリと合わさる時を
鳴らし力尽きた秒針
その姿を誰も見てはいないけど
只今本当は午前４時
あと少しで空は白む
０秒で止まる秒針
時がずれゆく音はもう鳴らない
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