ひなが


車の天井に
雨粒がその身を投げて
砕ける音が無数に響く

か細く呆気ない
断末魔はまるで去り際
君が告げた暇(いとま)に似てる


濡れ遠ざかる背中に
追いかけさせた言葉
君の姿が針より
小さくなっていくのは
その時ぼくの
ボキャブラリーが貧弱だったからかな



永遠の別れよこんにちは
冷たい涙をありがとう
空はこんなにも陰ってしまったけど

別れの痛みよこんにちは
えぐれた想い出をめくり
息ができないほどの愛しさを蘇らせて



ドラッタラドラッタラ
雨足は強くなる
斜線が入り景色はかすみ
喉の奥には鉄の味
ガツンガツンガツンガツン
咳込むのが多くなるのは
指先から青みが増えていっているから



永遠の別れよこんにちは
冷たい涙をありがとう
空はこんなにも陰ってしまったけど

別れの痛みよこんにちは
えぐれた想い出をめくり
息ができないほどの愛しさを蘇らせて

無数の灰よこんにちは
火に焼べた記憶達は
昨日穴を広げ朽ちていったけど

切ないかじかみこんにちは
地面は今ここにあるから
明日の日差しで影を作ってちょうだい




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