自称心中未遂


埃のかおりが篭った
ご無沙汰の部屋
出ていく少し前に
張り付けたカレンダーは
端の方が黄ばんでいる

街中の風が鋭く肌を
引っ掻き傷つけ
誰かの肌が触れる
安堵感と僅かな恐怖心が
あの時心を波立たせた


押して返してを繰り返し
込み上げる吐き気を消して



嘲笑いあい 指をさしている
君を妄想し怖がっている
この背中を抱きとめてよ
呼吸の仕方を思い出させて


外気との温度差に挟まれた
結露した窓
冷ややかなその涙に
地面に情けなく膝を
着いたぼくの陽炎を見た


押して返してを繰り返し
込み上げる失望感を消して



嘲笑いあい 指をさしている
君を妄想し怖がっている
この背中を抱きとめてよ
呼吸の仕方を思い出させて

崩れ落ちて 土で手を濡らす
ぼくは立ち上がることも恐れて
願い通りの腕の中を怖がり
わななく唇を君は貪る

生々温い 愛し方ができない
ぼくと君の愛しあいかた
惑うぼくにただ荒く
呼吸の仕方を君は思い出させる




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