錆―サビ―
靴音の強さを
ふと思い出した夜更け
歩幅と反響音が
口ほどにものを言うのだと
反射的に投げた
笑い声や相槌の
軽率さを思い知り
飲み干した水が味を変える
厚薄が測れない
自信の名札をつけた胸に痣を塗って
間違いがあるのならば
教えて欲しいと甘える
汚く崩れた心を
何かに浸してごまかせたなら
過ちに気づいてなお
ダブらせる歴史があると
酸いた誰かの舌先に
ぜんぶ罪を押しつけられたなら
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