錆―サビ―

靴音の強さを
ふと思い出した夜更け
歩幅と反響音が
口ほどにものを言うのだと

反射的に投げた
笑い声や相槌の
軽率さを思い知り
飲み干した水が味を変える

厚薄が測れない
自信の名札をつけた胸に痣を塗って

間違いがあるのならば
教えて欲しいと甘える
汚く崩れた心を
何かに浸してごまかせたなら

過ちに気づいてなお
ダブらせる歴史があると
酸いた誰かの舌先に
ぜんぶ罪を押しつけられたなら

[ 12/137 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

↓サーバー広告↓
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -