月下美人
触れるよりも深く
あなたに根ざす私は
細い管を頼りに
着飾る支度をする
一度きりの舞台
息つく暇を描いて
越える夜に想うの
美しい散り際を
怖くはないわ
添い遂げる現実は
至福だと笑えるくらいに
月明かりも
陽の光も
遠くで縁取る雨も
たぐり寄せて含んだら
ドレスが広がり緑野に際立つ
ひとひら落ち
風に揺られ
飾りはなくなってゆく
あなたに混ざり最後には
見えないほど私をあなたにして
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