火の粉

君の手をくれないか
口にせずに僕は街角で
開けたばかりのココアで
暖をとっている

肌の下を巡って
温もりは吸い上げられるけど
不確かな形の胸に
染みるには冷たくて

燃え上がるには
ここには人が多すぎて
息もまともに吸えない

君をくれないか
情けない話ではあるけど
綿埃に灯る
僕が選べるひとつの終わり

その手が欲しい
風除けだなんてとんでもない
燻り消える間際
その止めを求めているだけ

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